外付けSSDにゲームを入れているのに読み込みが遅くてイライラしていませんか。
原因は接続規格やケーブル劣化、電力不足、フォーマットやファームウェア不整合など多岐にわたり、放置すると快適さが損なわれます。
この記事では具体的なチェック方法と短時間で改善できる実践的な対策を分かりやすく紹介します。
接続速度の確認方法から最適化手順、ゲーム向けSSDの選び方、トラブル診断まで段階的に解説するので原因特定と対策をすぐ実行できます。
まずは簡単な確認から始めて、本編で原因別の手順を順に試してみてください。
外付けSSDでゲームが遅い時の原因と改善策

外付けSSDを接続しているのにゲームの読み込みが遅いと感じることはよくあります。
原因はハード面とソフト面の両方に及び、誤った対処をすると改善しないこともあります。
ここでは代表的な原因を挙げ、それぞれに対する具体的な改善策をわかりやすく説明します。
接続規格
外付けSSDの実効速度は接続規格で大きく変わります。
規格 | 最大理論速度 |
---|---|
USB 2.0 | 480 Mbps |
USB 3.0 | 5 Gbps |
USB 3.1 Gen2 | 10 Gbps |
USB4/Thunderbolt 3 | 40 Gbps |
表の理論値は最大値であり、実際の速度は機器やケーブルの品質で低下します。
ケーブル品質
ケーブルの規格が低いと速度がボトルネックになります。
例えばUSB 3.1対応機器でも古いケーブルだと3.0相当の速度しか出ないことがあります。
高品質なケーブルへ交換するだけで読み込み時間が短くなる可能性があります。
USBハブ/ドッキングステーション経由
USBハブやドックを経由すると帯域が分割され、実効速度が落ちる場合があります。
特にバスパワーのハブでは他デバイスとの電力や帯域競合が発生します。
ゲーム用途では基本的にPCやコンソールの直結を推奨します。
電力供給不足
外付けSSDは特に高性能モデルで一時的な電力ピークを必要とします。
セルフパワーのドライブや給電付きケーブルを使わないと性能が安定しません。
電源不足が疑われるときは給電が確保されたポートへ接続してください。
ドライバ・ファームウェア不整合
古いUSBコントローラードライバやSSDのファームウェアが原因で速度低下が起こることがあります。
ドライバ更新やSSDメーカーが提供するファームウェアの適用で改善するケースが多いです。
更新前には必ずメーカーのリリースノートを確認し、互換性を確かめてください。
フォーマットとファイルシステム
フォーマット形式は読み書き速度と互換性に影響します。
WindowsならNTFSやexFATが一般的で、コンソール向けには専用フォーマットが必要です。
小さなファイルが多数ある場合はアロケーションユニットサイズを見直すと効果があります。
サーマルスロットリング
SSDは高負荷で温度が上がると性能を落として自己保護に入ります。
外付けケースの放熱が不十分だと長時間のゲームプレイで速度低下が顕著になります。
アルミ筐体や放熱フィン付きのモデルを選ぶか、設置環境を見直すことを検討してください。
ゲームデータの配置
ゲームファイルの配置によってロード時間が変わることがあります。
- 頻繁に読み込むデータはSSD本体へ移動
- 容量を圧迫するが読み書き頻度が低いデータは別ストレージへ
- セーブデータはバックアップを取りつつ本体に残す
配置を整理することで体感的な改善が得られることが多いです。
接続速度の確認方法

外付けSSDが遅いと感じたときは、まず接続実効速度を確認することが重要です。
目視や感覚だけで判断すると、本当の原因を見落としますから、数値で把握して対策を検討してください。
Windows速度チェック
手軽に行う方法はベンチマークソフトでの測定です。
代表的なツールはCrystalDiskMarkで、シーケンシャルとランダムの両方を計測できます。
項目 | 操作 |
---|---|
ベンチマーク | CrystalDiskMarkを実行 シーケンシャルとランダムを計測 |
ポート確認 | デバイスマネージャでUSB規格とリンク速度を確認 |
転送実測 | 大きなファイルをコピーして速度をタイマーで計測 |
CrystalDiskMarkの結果を見て、シーケンシャル読み書きと4Kランダムの数値を確認してください。
外付けSSDはシーケンシャルが速くてもランダム性能が低い場合があり、ゲームの読み込みに影響します。
次にタスクマネージャーのパフォーマンスタブでUSBの転送速度を監視すると、どの程度帯域が使われているか把握できます。
さらにデバイスマネージャーで接続がUSB 2.0になっていないか、あるいはUSB 3.xで正しく認識されているかを確認してください。
ポートがUSB 3.0でもケーブルやハブの種類で5Gbpsに制限されている場合がありますので、注意が必要です。
Mac速度チェック
MacではBlackmagic Disk Speed Testが定番で、App Storeから入手できます。
ディスクユーティリティでフォーマットとマウント状況を確認すると、想定外のフォーマットが原因で遅くなることがあります。
- Blackmagic Disk Speed Testで読み書きを測定
- ディスクユーティリティでフォーマットを確認
- ターミナルのdiskutilでデバイス情報を取得
- ddコマンドで簡易書込テストを実施
ターミナルでの簡易テストは、例えばddコマンドで一時ファイルを書き込みして転送速度を算出できます。
ただし書き込みテストはSSDに負荷をかけるため、事前にバックアップを推奨します。
PS5/PS4速度チェック
ゲーム機ではPCのような専用ベンチマークが少ないため、実運用に近い方法で測るのが実用的です。
具体的には大容量のゲームデータやメディアファイルを内部ストレージと外付けSSD間でコピーして、かかった時間を測定します。
PS5は外付けSSD上でPS5用ゲームは起動できませんが、PS4タイトルは外付けから直接動作しますので、実プレイでの体感遅延を確認できます。
測定時は必ず他のダウンロードやバックグラウンド処理を停止し、計測を安定させてください。
またコンソールのUSBポートは裏面の専用ポートを優先して使い、ハブ経由は避けると誤差が減ります。
結果を見て劇的に遅い場合は、別のケーブルや直接接続を試し、それでも改善しなければSSD自体の性能不足やフォーマット不整合を疑ってください。
外付けSSDを最適化する具体的手順

外付けSSDで快適なゲームプレイを実現するための実践的な手順をまとめます。
細かい設定を順に見直すだけで、体感速度が改善することが多いです。
バックアップ作成
まずは重要なデータのバックアップを必ず作成してください。
トラブルやフォーマット時のデータ消失に備えることが第一です。
- セーブデータ
- 設定ファイル
- ゲーム本体のバックアップ
- ドライバとソフトウェア設定
- 重要な個人データ
フォーマット設定
接続先のプラットフォームに応じて最適なファイルシステムを選びます。
互換性とパフォーマンスを天秤にかけて決めると良いです。
対象 | 推奨フォーマット |
---|---|
Windows PC | NTFS |
Mac | APFS |
クロスプラットフォーム | exFAT |
PS4 PS5 | exFAT |
フォーマット時はクイックではなくフルフォーマットを選ぶべき場面もあります。
ただし、フルフォーマットは時間がかかるため、時間に余裕を持って実行してください。
ドライバ更新
ホスト機器のUSBコントローラやチップセットドライバを最新に保つことが重要です。
古いドライバは転送のボトルネックや互換性問題を引き起こす可能性があります。
メーカーサイトやWindows Update、Macのソフトウェアアップデートを確認して、指示に従ってインストールしてください。
直結接続の実施
可能な限りPCやゲーム機にSSDを直接接続してください。
USBハブやドッキングステーション経由だと帯域や電力が不足し、速度が落ちることがあります。
USB端子はUSB3.1以降やThunderboltを優先し、背面ポートを使うと安定しやすいです。
電源設定の最適化
電力供給が不安定だとSSDが性能を発揮できません。
ラップトップではUSBセレクティブサスペンドを無効化し、電源プランを高パフォーマンスに設定することをおすすめします。
セルフパワーのUSBハブや直接電源付きドライブを使える場合は、そちらを検討してください。
ゲームデータ移動手順
移動前にバックアップがあることを再確認してください。
- バックアップの確認
- 不要ファイルの削除
- フォーマットの実行
- ゲームフォルダのコピー
- 動作確認とベンチマーク
移動後は一度ゲームを起動して、読み込みやフレームの挙動に問題がないか確認してください。
もし挙動に違和感がある場合は、元の場所に戻して比較検証すると原因特定がしやすくなります。
ゲーム向け外付けSSDの選定基準

外付けSSDをゲーム用に選ぶ際は、単に容量や価格だけで決めないことが重要です。
読み込み速度や持久力、冷却性能などがゲーム体験に直結しますので、いくつかの項目を比較して選ぶと失敗が少ないです。
転送規格(USB/Thunderbolt)
転送規格はゲームのロード時間やストリーミングの安定性に直結します。
規格 | 理論転送 | 実用目安 | 特徴 |
---|---|---|---|
USB 3.2 Gen1 | 5 Gbps | 300 400 MBs | コスト重視の汎用規格 |
USB 3.2 Gen2 | 10 Gbps | 600 900 MBs | 多くの外付けSSDに採用 |
USB 3.2 Gen2x2 | 20 Gbps | 1200 2000 MBs | 高速だが対応機器が限られる |
Thunderbolt 3 4 | 40 Gbps | 2000 MBs 3000 MBs以上 | 最速クラスでレイテンシも低い |
表は理論値と実用目安の差を示していますので、製品選びの参考にしてください。
重要なのはパソコンやゲーム機側のポートが規格に対応しているかどうかです。
容量目安
容量は遊ぶゲームの種類や保存するデータ量で判断すると良いです。
- ライトゲーマー 500GB〜1TB
- 標準ゲーマー 1TB〜2TB
- 配信者や大量所有者 2TB以上
- 作業兼用 大容量かつバックアップ重視
最近のAAAタイトルはインストール容量が大きく、1本で100GBを超えることもあるため注意してください。
耐久性(TBW)
SSDの耐久性はTBWという指標で示されます。TBWは総書き込み量の目安で、寿命予測に役立ちます。
例えばTBWが300TBならば、毎日100GBを書き込んでも数年間は問題が生じにくい計算になります。
ゲーム用途では大容量を頻繁に書き換えるケースは少ないですが、配信や常時録画をする場合は高TBWモデルを選ぶと安心です。
メーカー保証とTBWのバランスを見て、実際の使用環境を想定して選んでください。
放熱設計
SSDは高負荷時に発熱し、温度上昇でサーマルスロットリングが発生することがあります。
金属筐体や放熱シートを備えたモデルは長時間のゲームで安定しやすく、冷却ファン付きやヒートシンク同梱モデルも選択肢になります。
外付けケースが薄いと放熱効率が落ちやすいので、設置場所の風通しも重要です。
ゲーム中に温度が上がる場合は、筐体に触れてみて熱を感じるか確認し、必要であれば配置を変えてください。
コントローラ性能
SSD内部のコントローラは実効性能に大きく影響しますので、ベンチマークでの評価を見ると良いです。
DRAM有無やキャッシュ設計によって低負荷時と高負荷時の挙動が変わりますので、長時間の連続読み書きを想定するならDRAM搭載モデルが有利です。
SLCキャッシュの大きさも一時的な高速化に直結しますから、ゲームのロードやアップデートなどでの体感差に影響します。
レビューや実測結果を確認し、コントローラの世代やファームウェア更新の履歴もチェックしてください。
保証と付属ソフト
保証期間は製品選びの安心材料になりますので、できれば長期保証のあるメーカーを選んでください。
付属ソフトはクローンやバックアップ、暗号化ツールが含まれることが多く、用途によっては有用です。
保証規定はTBWや使用条件によって制限される場合がありますので、事前に保証内容をよく確認してください。
購入後にファームウェアや管理ソフトでパフォーマンス向上が期待できるモデルもありますから、サポート体制の良いブランドを優先することをおすすめします。
パフォーマンス測定とトラブル診断

外付けSSDの速度問題を正確に特定するには、計測とログの確認が不可欠です。
感覚や体感だけで判断すると改善策を誤る可能性が高いです。
ここでは実用的なベンチマークの使い方と故障兆候の見つけ方を順を追って解説します。
ベンチマークツール
ベンチマークは順次読み書き速度やランダムIOPS、レイテンシを数値化します。
数値を取ることで接続規格やケーブルの影響を切り分けやすくなります。
おすすめツールを使い分けて、簡易テストと詳細テストを両方行ってください。
- CrystalDiskMark
- AS SSD Benchmark
- Blackmagic Disk Speed Test
- fio
- ATTO Disk Benchmark
ファイル転送テスト
実運用に近い状況を知るにはファイル転送テストが有効です。
大きな単一ファイルをコピーして順次速度を測るテストと、小さなファイルを多数コピーするランダム性能の確認を両方行ってください。
WindowsではエクスプローラーのコピーやRobocopy、MacやLinuxではcpやrsyncを使い、所要時間から実効速度を計算します。
複数回テストして平均値を取り、劇的に変動する場合は接続不安定やサーマルスロットリングを疑います。
温度モニタリング
SSDは温度が上がると性能を抑えるサーマルスロットリングを行います。
ベンチ実行中は温度を監視し、負荷がかかるとどれくらい上昇するか確認してください。
使用できるツールにはCrystalDiskInfoやHWInfo、メーカー提供のユーティリティがあります。
高温が続く場合は放熱改善や外装の見直しを行い、運用温度を下げることが重要です。
ログ解析
OSやデバイスのログにはエラーやリセット情報が残りますので必ず確認してください。
Windowsならイベントビューアー、MacやLinuxならdmesgやsyslogが基本のチェックポイントです。
SMARTログも重要で、増加するリトライやスローなセクタは故障の前兆になり得ます。
ベンチや転送テストと同時にログを取得して、どのタイミングで問題が出るか突き止めると原因特定が早まります。
ケーブル診断
ケーブルやポートの問題は速度低下や断続的な切断を引き起こしますので、丁寧に切り分けてください。
まずは別のケーブルや別のポートで再現するかを確かめるのが早い対処です。
ここでは典型的な症状と確認方法を簡潔にまとめますので、順に試してください。
症状 | 確認と対処 |
---|---|
転送速度が規格より遅い 断続的に速度が落ちる 接続が不安定で切断する |
別のケーブルで再現確認 別のUSBポートで再テスト 高品質ケーブルへ交換して再確認 |
デバイスを認識しない場合がある 接続時に「再接続が必要」と表示される |
別のPCで接続テスト ハブを使わず直結で確認 ケーブルのピンやコネクタの損傷確認 |
導入前の最終判断ポイント

導入前には、接続規格と実測速度を確認し、使用する機器が対応しているかを確かめることをおすすめします。
ケーブル品質や電力供給、USBハブ経由の制限についてもチェックし、可能な限りPCやゲーム機に直結する運用を検討してください。
放熱性能とTBWなど耐久性の指標を比較し、長期的な安定性を重視して選ぶと安心です。
導入前には必ずバックアップを取り、購入後はベンチマークを実行して実使用での体感差を確認する習慣をつけてください。
最後に、コストと利便性を天秤にかけて、内部ストレージ増設と外付け導入のどちらが自分の運用に合うかを最終判断してください。