PCの動作が重く、ゲームのロードや起動で何度も待たされてイライラしていませんか。
Steamのタイトルが古いHDDに残っていると読み込みが遅く、容量不足や管理の手間が増えます。
この記事ではデータ損失を避ける安全な移行手順を、Windowsでのドライブ認識確認やライブラリ追加と個別移動の実例で分かりやすく解説します。
複数ゲームの一括移行や移行後の動作チェック、バックアップ・復元、トラブル対処、SSD選びの基準やツール比較までを網羅します。
まずは準備チェックから順に読み進め、手順通りに進めれば移行は問題ありません。
SteamゲームSSD移動
SteamのゲームをHDDからSSDへ移動すると、起動時間やロード時間が大幅に短縮されます。
本項では、移行の利点から準備、実際の手順、移行後の確認まで実用的に解説いたします。
移行の利点
SSDにゲームを置くと、データの読み出しが速くなり、マップ読み込みやシーン切替がスムーズになります。
短時間での反復テストやオンライン対戦での安定感も向上し、快適なプレイ環境を実現できます。
また、SSDは物理的な衝撃に強いものが多く、ノートPCでの携帯性を重視する方にも向いています。
準備チェック
移行前に確認しておくべき項目を明確にしておくと、後のトラブルを防げます。
| 項目 | 推奨 |
|---|---|
| 空き容量 | 容量の20パーセント以上 |
| ファイルシステム | NTFS推奨 |
| 電源供給 | 安定した電源 |
表の項目をチェックしておけば、移行中の失敗や速度低下を未然に防げます。
ドライブ認識確認
まずはWindowsのディスク管理やエクスプローラーでSSDが正しく認識されているか確認してください。
ドライブレターが割り当てられているか、容量表示に異常がないかをチェックします。
認識しない場合はケーブルの接続を見直し、必要であればBIOSでの設定を確認してください。
ライブラリフォルダ追加
Steam内で新しいライブラリフォルダを追加する手順は簡単です、設定画面から直接操作できます。
Steamを開き、設定のダウンロードとライブラリからライブラリフォルダの管理を選びます。
「ライブラリフォルダを追加」をクリックして、SSD上の保存先を指定してください。
フォルダを追加したら、既存のゲームを移動できるようになりますので次の工程に進めます。
ゲームの個別移動
ゲームごとに移動する場合は、ライブラリから対象のタイトルを右クリックしてプロパティを開きます。
ローカルファイルタブの「インストールフォルダの移動」を選び、先ほど追加したSSDのフォルダを指定します。
移動はSteamがファイルをコピーしてから元の場所を削除する方式で、元データが消えないため比較的安全です。
複数移動の手順
複数のゲームをまとめて移動する場合は、手順を整理しておくと効率的です。
- Steamを起動
- ライブラリを表示
- 移動するゲームを選択
- 一つずつプロパティを開く
- インストールフォルダを移動
大量に移すときは、時間に余裕を持って一度に大量移動を避けると安全です。
移行後の動作確認
移動が完了したら、まずは各ゲームを起動して動作確認を行ってください。
セーブデータの読み込みやオンライン機能の接続状況も必ずチェックしてください。
問題があれば、元のライブラリに戻すか、Steamの整合性チェックでファイルを検証します。
バックアップと復元
重要なセーブデータや設定は移行前にバックアップを取ることをお勧めします。
Steamクラウドを利用している場合でも、ローカルにもコピーを残しておくと安心です。
万が一のときはバックアップから復元できるよう、保存場所と手順を事前に確認しておいてください。
SSD選びの基準
SSDを選ぶ際は性能と用途のバランスを重視することが大切です。
特にゲーム用途では速度と耐久性、容量の見積もりが重要になります。
接続規格(NVMe/SATA)
まずは接続規格を確認してください。
NVMeはPCIeレーンを使うため、SATAよりも大幅に高速です。
| 項目 | NVMe | SATA |
|---|---|---|
| 接続方式 | PCIeレーン | SATAインターフェース |
| 転送速度目安 | 数千MBsクラス | 約500MBs前後 |
| レイテンシ | 低遅延 | 中程度 |
| 価格帯 | 高め | 安価 |
デスクトップや最新ノートではNVMeが主流で、ロード時間短縮の恩恵が大きいです。
読み書き速度
読み書き速度はスペック表の数値だけで判断しないことが重要です。
シーケンシャル速度は大容量ファイル転送の参考になり、ランダムIOPSはゲームのロードや小さなファイル読み込みで効きます。
一般的にNVMeはシーケンシャルで3000MB/s以上を狙うと快適さが目に見えて向上します。
SATA SSDでも500MB/s前後で旧来のHDDより大幅に速く感じられますが、シークやストリーミングで差が出ます。
ベンチマークだけでなく、実際のゲーム起動やワールド読み込みでの体感を重視してください。
耐久性(TBW)
TBWは寿命の目安であり、総書き込み量を示す指標です。
ゲーム用途ではそこまで高い耐久性を求めない場合が多いですが、頻繁に録画や編集をするならTBWの高いモデルが安心です。
一般的なゲーミング向けの目安として、容量1TBでTBWが数百TB程度あると余裕があります。
保証年数も合わせて確認し、メーカーのサポート体制も選定基準に含めてください。
容量設計
容量は将来の拡張も見越して決めると失敗が少ないです。
- OSと主要アプリ 250GB以上
- ゲーム格納 1タイトルあたり50GB〜150GB目安
- 作業用ファイルとキャッシュ 100GB以上の余裕
- 推奨総空き領域 10%〜20%を確保
複数の大作を同時に入れる予定があれば、2TBクラスを検討すると安定します。
フォームファクタ
フォームファクタは物理的な互換性に直結します。
M.2 2280が最も一般的ですが、ノートPCやマザーボードで対応長を確認してください。
2.5インチSATAは汎用性が高く、旧世代機のアップグレードに向いています。
NVMeのM.2は発熱が増える傾向があるため、ヒートシンクやケース内エアフローも考慮してください。
最終的には速度と互換性、設置場所のバランスで選んでいただくのが良いでしょう。
移行ツール比較
SSDへのゲーム移行に使えるツールを比較して、目的に合う方法を選べるように解説します。
移行の手軽さや安全性、細かな制御のしやすさを基準に、利点と注意点を整理します。
Steam組み込み機能
Steamにはライブラリフォルダの追加とゲームの移動機能が標準で備わっています。
Steamクライアントの設定からライブラリフォルダを追加し、ゲームを右クリックで移動できる仕組みです。
メリットは公式機能なので互換性が高く、ファイル構成を壊しにくい点です。
デメリットは大量のゲームを一括で移動しにくい点と、細かいファイル除外ができない点です。
小規模な移行や初めての方には最も安全で簡単な選択肢になります。
Steam Library Manager
Steam Library Managerは複数のライブラリ間でゲームを一括移動できるサードパーティ製のツールです。
GUIで操作でき、移動のスケジュールや一括処理が便利な点が魅力です。
| 機能 | 長所 | 注意点 |
|---|---|---|
| 一括移動対応 | バッチ処理可能 | サードパーティ製 |
| ライブラリ管理 | 複数フォルダ一元管理 | アップデート必要 |
| バックアップオプション | 移動前の保護 | 完全自動ではない |
利便性が高く、複数タイトルをまとめて移す場合に時間を大幅に節約できます。
ただし非公式ツールなので、使用前に最新のレビューを確認し、重要データは必ずバックアップしてください。
クローンソフト
ドライブ丸ごとクローンしてSSDに入れ替える方法は、環境をまるごと移したい人に向いています。
OSごと移行できるため、Steamだけでなくすべての設定やアプリを新しいドライブへ引き継げます。
- Macrium Reflect
- EaseUS Todo Backup
- Acronis True Image
- Clonezilla
クローンは便利ですが、クローン後にパーティションサイズの調整やブート修復が必要になる場合があります。
特にUEFIやセキュアブート環境では手順を誤ると起動トラブルになりやすいので注意が必要です。
Robocopy
RobocopyはWindows標準のコマンドラインツールで、ファイルの高信頼コピーに向いています。
属性やタイムスタンプを保持しつつ大量のファイルを効率的に移せる点が強みです。
基本的なコマンド例としてはソースとターゲットを指定してミラーリングする方法がありますが、管理者権限で実行する必要があります。
Robocopyは細かいオプションが豊富で、失敗時の再試行設定やログ出力が可能です。
コマンド操作に慣れている方や、自動化バッチを組みたい方に向いています。
ただしSteamのインストールメタデータやレジストリ情報までは移せないため、移動後にライブラリの再認識が必要になることがあります。
トラブル別対処
SSDへSteamゲームを移行する際に起きやすい問題と、すぐに試せる対処法を分かりやすくまとめます。
簡単なチェックで解決するものから、やや手間がかかる復旧まで、段階を踏んで対応する方法を紹介します。
移動失敗エラー
移動中にエラーが出る原因はさまざまですが、まずはエラー表示の文言を確認することが重要です。
ファイルのアクセス権やディスクの空き容量不足、ファイル破損が典型的な原因になりますので、順に潰していきます。
| 症状 | 対処 |
|---|---|
| アクセス拒否 | 管理者権限で実行する |
| 容量不足 | 不要データ削除または容量拡張 |
| ファイル破損 | 検証と再ダウンロード |
| 中断エラー | ネットワーク確認再試行 |
上の表で該当する項目があれば、まずはその対処を行ってください。
アクセス権が原因の場合は、エクスプローラーで該当フォルダのプロパティから所有権と権限を確認すると解決することが多いです。
ドライブ未認識
新しいSSDがPCやSteamで認識されない場合、ハードウェアとソフト両面からチェックします。
- ケーブル接続確認
- BIOS認識確認
- ディスク管理で初期化
- ドライバ更新
まずはケーブルや電源の接触不良を疑い、物理的な接続を確かめてください。
BIOSで認識されないとOS側でも見えないため、BIOS設定を確認し、必要であればシリアルやモードの設定を変更します。
Windowsのディスク管理で未割当になっている場合は、新しいボリュームを作成してフォーマットしてください。
ゲーム起動不可
移動後にゲームが起動しないケースは、パスや依存ファイルの参照に問題があることが多いです。
まずはSteamのライブラリで該当ゲームを右クリックし、プロパティの「ファイルの整合性を確認」を実行してください。
それでも直らない場合は、インストールフォルダ内の実行ファイルが正しいかとショートカットの参照先を確認します。
さらにDirectXやVisual C++などのランタイム不足が原因になることもあるため、必要なランタイムを再インストールしてみてください。
ロード遅延
SSDに移したのにロードが遅い場合は、接続規格や断片化、キャッシュ設定などを見直します。
NVMe接続のSSDなら理論上高速ですが、SATA接続やUSB外付けだと性能が制限されますので、まず接続方式を確認してください。
OSの電源管理やチップセットドライバが省電力モードになっていると、SSDのパフォーマンスが落ちることがありますので、パフォーマンス優先に切り替えて試してみてください。
また、古いSSDは書き込み寿命やTRIM設定の不具合で速度が落ちる場合がありますので、メーカーのツールで状態確認を行うと良いです。
ライブラリ破損
ライブラリフォルダ自体が破損するとゲームの検出や移動ができなくなることがあります。
まずはSteamのライブラリフォルダ設定から該当フォルダを一度削除し、再度追加してみてください。
それでも改善しない場合は、ライブラリフォルダ内のappmanifestファイルが欠損していないか確認し、必要であればバックアップから復元します。
ライブラリの大規模な破損は手動でファイルを整理する必要が出るため、重要データは事前にバックアップしておくことを強くおすすめします。
移行後の最終チェック
SSDへゲームを移した後は、まず基本的な動作確認を行うことが重要です。
短時間で終えられる優先チェックを順に確認してください。
- ゲームを起動して正常に動作するか確認する
- セーブデータの読み書きが問題ないか確認する
- ロード時間が改善されているか体感で確認する
- Steamのライブラリパスが新しいドライブを指しているか確認する
- ドライブの空き容量と健康状態を確認する
異常があればバックアップから復元するか、移動手順を見直して対処してください。

