SSDからHDDにゲームを移動する手順|セーブ消失や起動トラブルを防ぐ実践テクニック

RGBライティング搭載キーボードと自作ゲーミングPCのセットアップ
ゲーム

ゲームが快適に遊べるようにSSDの容量不足でHDDへ移したいと悩んでいませんか。

ただ移すだけだとロード時間の低下やセーブデータの紛失、プラットフォームの認識エラーなど問題が起きやすいのが現実です。

この記事では失敗を避けるための手順とプラットフォーム別の具体的な移行方法、トラブル対処法をわかりやすくお伝えします。

事前バックアップや空き容量確認、セーブデータの扱いからシンボリックリンクの活用まで順を追って解説します。

初心者でも実行しやすい手順を重視しているので、落ち着いて進めれば安全に移行できます。

まずは事前準備のチェック項目から見ていきましょう。

SSDからHDDへゲームを移動する手順

ノートパソコンのキーボードを斜めから撮影したクローズアップ

SSDからHDDへゲームを移動する際の基本的な流れを、手順ごとにわかりやすく説明します。

移動前の準備から移動後の確認まで、トラブルを減らすポイントを順に押さえていきます。

事前バックアップ

まず最初に、重要なファイルのバックアップを必ず作成してください。

ゲーム本体だけでなく、セーブデータや設定ファイルも対象です。

外付けHDDやクラウドストレージにコピーしておくと、万が一のときに復元が簡単です。

バックアップ中はゲームを起動しないようにして、データ破損を避けてください。

空き容量確認

移動先のHDDに十分な空き容量があるか、事前に確認します。

インストールフォルダのサイズに加えて、余裕として20〜30パーセント分を残すと安全です。

また、ドライブに既に大きなファイルがある場合は不要ファイルを整理して、断片化対策も考慮してください。

セーブデータ確認

セーブデータがクラウド同期されるゲームかどうかをまず確認します。

クラウド同期される場合は移動後も復元されることが多いですが、同期の状態を最新にしておくと安心です。

ローカル保存のみのゲームは、セーブファイルを別途コピーしてバックアップしておいてください。

保存場所がわからないときは、ゲームのドキュメントフォルダやユーザープロファイル内を確認します。

プラットフォームの移動機能

Steamや一部プラットフォームには「インストール移動機能」が搭載されていますので、まずはそちらの利用を検討してください。

内蔵機能は依存関係やレジストリ情報を正しく更新するため、安全性が高いです。

移動機能がない場合やOS間での移動を行う場合は、手動で処理する必要があります。

手動コピー

プラットフォームの機能を使わないときは、手動でファイルをコピーする手順が必要です。

以下は一般的な手順の要点です。

  • ゲームを終了してプロセスを停止
  • インストールフォルダの丸ごとコピー
  • セーブデータと設定ファイルの個別コピー
  • 移動先で起動テスト

コピーはエクスプローラーやFinderで行えますが、大容量の場合は専用のコピーソフトを使うと高速で安定します。

ファイル整合性チェック

コピー後は必ずファイルの整合性をチェックしてください。

プラットフォームの「ゲームファイルの整合性確認」機能を使うと、欠損や破損を簡単に検出できます。

より厳密に確認したい場合はハッシュ値を比較する方法も有効です。

チェック項目 確認内容
ファイルサイズ 一致
ハッシュ値 一致
欠損ファイル なし
ファイル属性 正しい

表の項目に従って問題がなければ、実際にゲームを起動して動作確認を行います。

シンボリックリンク

ディスク構成を変えたくない場合や、プラットフォームのパスを維持したい場合はシンボリックリンクの作成が有効です。

Windowsでは管理者権限でコマンドプロンプトを開き、mklink コマンドを使用します。

macOSやLinuxではターミナルで ln -s を使ってシンボリックリンクを作成します。

リンクは便利ですが、元のフォルダを削除すると参照が切れるため注意が必要です。

万が一に備えて、リンクを作る前に必ずバックアップを取ってください。

プラットフォーム別移動方法

青いインジケーターが光るノートパソコンのキーボードクローズアップ

各ゲームプラットフォームでのSSDからHDDへの移動方法は、仕組みが異なり注意点も変わります。

ここでは主要な6つのプラットフォーム別に、手順や注意点を分かりやすく解説します。

Steam

Steamはライブラリ管理機能が充実しており、公式ツールで移動できる場合が多いです。

まずはSteamクライアントの設定からストレージ管理を確認してください。

  • ライブラリフォルダを追加する
  • 移動したいゲームを選ぶ
  • ローカルファイルの移動を実行する

具体的には、ライブラリ上でゲームを右クリックし、プロパティからローカルファイルタブを開きます。

そこにある「インストールフォルダの移動」や「ライブラリフォルダ間で移動」を利用すると、ファイルの整合性を保ちながら移動できます。

移動後は「ファイルの整合性を確認」する機能で破損や不足ファイルがないかをチェックしてください。

Epic Games Store

Epicは公式の移動ツールが限定的で、手動での移動が必要になることがあります。

まずはEpicランチャーを終了させ、ゲームフォルダを丸ごと新しいドライブにコピーしてください。

操作項目 方法 備考
既存データのコピー 手動コピー ランチャー再検出
インストール先変更 設定から追加 同じゲーム名のフォルダを作成
再認識 インストールボタン押下 ダウンロードをスキップ

コピー後にEpicでそのゲームを「インストール」すると、既存のファイルを検出してダウンロードを省略する仕組みが働く場合があります。

ただしゲームによっては認証やランタイムが別扱いになることがあるため、起動テストを必ず行ってください。

Origin

Originはインストールフォルダの管理が比較的シンプルですが、移動前にクライアントを終了することが基本です。

手順としては、ゲームフォルダを移動し、Origin上でアンインストールと再インストールを行う方法が確実です。

アンインストール時にファイルを残すオプションがあれば活用し、再インストール時に既存のファイルを指定するとダウンロードを節約できます。

EAアカウントやクラウドセーブの設定も確認し、同期が途切れないように配慮してください。

Battle.net

Battle.netはインストール先の変更やゲーム移動に対応していますが、手順にやや注意が要ります。

公式の「インストールフォルダの変更」機能を使うか、手動でフォルダを移動してからクライアントに再登録する流れが一般的です。

移動後はクライアント側で「スキャンと修復」機能を実行し、ファイルの一貫性を確認してください。

大型アップデートがあるタイトルでは、移動直後に追加ダウンロードが発生する可能性がある点に注意が必要です。

Microsoft Store

Microsoft Store版のゲームはUWPアプリとして管理されるため、移動方法が限定されています。

Windowsの設定から「アプリと機能」を開き、アプリごとに移動先を指定できる場合があります。

ただしすべてのタイトルが移動に対応しているわけではないので、事前確認が重要です。

対応していない場合は、再インストールするか、シンボリックリンクを利用する回避策を検討してください。

GOG

GOGはDRMフリーが基本なので、ファイルを丸ごと移動しても問題が起きにくい点が魅力です。

コピー後にランチャーでパスを変更するか、直接実行ファイルを起動して動作確認を行ってください。

セーブデータや設定ファイルの保存場所がゲームごとに異なるため、移動前に保存先を確認しておくことをおすすめします。

大きな利点はバックアップが取りやすいことですので、念のため移動前に複製を残しておくと安心です。

移行前のチェック項目

赤い間接照明に照らされたデュアルモニターとカメラ付きデスク環境

SSDからHDDへゲームを移す前に確認しておくべきポイントを整理します。

事前にチェックを済ませておけば、移行後のトラブルを減らせます。

ロード時間

ロード時間は移行の影響が最もわかりやすく出る要素です。

SSDでは短かったシーン切り替えや起動時間が、HDDだと延びる可能性が高いです。

プレイ体験を維持したい場合は、頻繁にロードが発生するゲームは移動を慎重に検討してください。

ベンチマークや実測で現在のロード時間を把握しておくと、移行後の差が確認しやすくなります。

ストレージ速度

ストレージの読み書き速度は、ゲームの読み込みやインストール速度に直結します。

特にシーン読み込みやテクスチャのストリーミングが多用されるタイトルでは顕著に差が出ます。

ドライブ種類 読み取り目安 書き込み目安
NVMe SSD 2000-7000 MB/s 1000-5000 MB/s
SATA SSD 400-600 MB/s 300-500 MB/s
HDD 80-200 MB/s 80-200 MB/s

上の目安を元に、現在の環境とのギャップを確認してください。

また、HDDでも7200rpmのものやキャッシュの大きいモデルは、体感差が小さくなる場合があります。

セーブデータ保存先

セーブデータがクラウドとローカルのどちらに保存されているか必ず確認してください。

Steamのクラウドや各プラットフォームの同期機能が有効なら、移動後も安全に復元できることが多いです。

一方で、手元のフォルダに保存されているセーブは、移行前にバックアップを取る必要があります。

具体的にはドキュメント、AppData、ゲームのインストールフォルダ配下などをチェックしてください。

モッドと追加ファイル

モッドを導入している場合、移動先でも正しく読み込まれるか確認が必要です。

  • 導入順序のメモ
  • 使用しているMODマネージャー名
  • カスタム設定ファイルの場所
  • サードパーティのランチャーやランチャー設定

これらを事前に整理しておくと、移動後の不具合対応が格段に楽になります。

ドライブの健康状態

HDDの健康状態は移行先として非常に重要です。

S.M.A.R.T情報を確認し、リロケーションや不良セクタの兆候がないかチェックしてください。

WindowsならCrystalDiskInfo、macOSならディスクユーティリティなどを使うと簡単に確認できます。

異常が見つかった場合は移行を中止し、交換や修復を検討してください。

フォーマットとファイルシステム

移行先のドライブが適切なファイルシステムでフォーマットされているか確認します。

Windows環境ならNTFSが一般的で、権限や大容量ファイルの扱いに適しています。

外付けで使用する場合は、接続方式やドライブのパーティション方式も確認してください。

また、大きなファイルを扱うゲームではFAT32だと上限に引っかかる可能性がありますので注意が必要です。

問題発生時の復旧方法

カラフルなLEDでライティングされたハイエンドゲーミングPCの内部

ゲーム移行中に問題が発生した場合は、落ち着いて手順を踏むことが重要です。

ここでは優先度の高い復旧手順を順に解説します。

バックアップ復元

まず最初に、移行前に作成したバックアップからの復元を検討してください。

バックアップがあれば元の状態に戻しやすく、リスクを最小化できます。

  • 完全バックアップの復元
  • 差分バックアップの適用
  • セーブデータのみの復元
  • テスト復元の実施

復元後はゲームを起動して動作確認を行ってください。

シンボリックリンク解除

シンボリックリンクが原因でゲームが正しく動作しないことがありますので、まずリンクの確認を行います。

Windowsではリンクがディレクトリかファイルかで削除コマンドが異なりますので、対象を間違えないようご注意ください。

一般的にはコマンドプロンプトを管理者権限で開き、ディレクトリリンクはrmdirで、ファイルリンクはdelまたはunlinkで削除します。

LinuxやmacOSではunlink または rm コマンドでリンクを解除できますが、誤って実体を削除しないようターゲットを確認してください。

リンクを解除した後は、必要に応じて正しい場所へファイルを戻すか、再度リンクを作成して動作を確認してください。

アクセス権修復

移動先のドライブでアクセス権が不適切だと、起動や更新に失敗することがあります。

Windows環境ではtakeownとicaclsを使って所有権取得とアクセス権の付与を行う方法が有効です。

具体的には管理者権限でコマンドプロンプトを開き、対象フォルダに対してtakeown /F と icacls /grant を実行してください。

Linuxではchownとchmodで所有者とパーミッションを修正することになりますので、実行前に現在の所有者を確認してください。

修復後はゲームの起動とアップデートを試し、権限関連のエラーが解消されたか確認してください。

ファイルシステムチェック

ドライブ自体の問題が原因でエラーが出る場合がありますので、ファイルシステムチェックの実行を推奨します。

チェック前に重要データのバックアップを取ることが安全です。

下表は代表的なチェック項目と推奨ツールの対応表です。

チェック項目 推奨ツール/コマンド
論理エラー検出 chkdsk
ファイルシステム修復 fsck
ディスク読み取りチェック SMART診断
不良セクタ検出 badblocks

ツールの実行には管理者権限が必要な場合が多い点にご注意ください。

チェック結果に基づき修復を行い、それでも問題が解消しない場合は専門のデータ復旧業者への相談を検討してください。

移行で抑えるべき設定と最適化

バックライト付きメカニカルキーボードとモニターのクローズアップ

ゲームをSSDからHDDへ移すと、ストレージ速度の差が体感に直結します。

事前にいくつかの設定を見直すことで、遅延を最小限に抑えられます。

仮想メモリ設定

HDDへ移した際に読み書きが遅くなる負荷を和らげるため、仮想メモリの配置を検討してください。

一般的にはページファイルをSSD側に残すと、スワップ発生時の遅延を抑えられますが、SSDの空き容量と寿命も考慮が必要です。

物理メモリ 推奨ページファイルサイズ
8GB 8GB-16GB
16GB 8GB-12GB
32GB 4GB-8GB

固定サイズでページファイルを設定すると、ファイル断片化を防げます。

ただし、物理メモリが十分であればページファイルを小さめにすることも可能です。

電源管理設定

HDDの回転停止や省電力モードはゲーム中にラグを生む原因になります。

電源管理で回転停止を無効にし、高パフォーマンスの電源プランを選ぶことをおすすめします。

  • 電源プランを高パフォーマンスに設定
  • ハードディスクのスリープを無効化
  • USBの省電力設定を必要に応じて無効化
  • Windowsの高速スタートアップを確認

ノートPCの場合は電源接続時とバッテリー時で設定を分けると良いです。

HDDデフラグ

HDDは断片化が進むと読み込みがさらに遅くなりますので、定期的なデフラグを行ってください。

Windowsの最適化ツールでスケジュールを組むと手間が省けます。

ただし、SSDにはデフラグを行わないでください、寿命を縮める恐れがあります。

インストール先設定

ゲームをどのドライブに置くかは、プレイ頻度とロード時間のトレードオフになります。

頻繁に遊ぶタイトルはSSDに残し、ライブラリの整理や古いゲームはHDDへ移すと賢明です。

また、インストール先フォルダのアクセス権と所有権を確認して、クライアントが正常に書き込みできるようにしてください。

さらに、NTFS圧縮や暗号化はパフォーマンスに影響しますので、ゲームフォルダには適用しないことをおすすめします。

移行完了後の最終チェック

デスクライトの明かりで照らされたノートパソコンとシンプルなデスク

ゲーム移行後は、まず起動確認を行って、タイトルごとに正常に動作するか確かめてください。

セーブデータの読み書きも確認し、クラウド同期やローカルファイルが最新であることを確認してください。

ロード時間や動作の違いがないか、短時間プレイして挙動をチェックすると安心です。

不要な旧ファイルはSSDから削除して、空き容量を確保してください。

バックアップを取り直し、万一に備えて保存場所を点検しておくことをお勧めします。

HDDのパフォーマンス維持のため、定期的なデフラグやディスクチェックを行ってください。

最後にライブラリのパスやショートカットを整理して、快適にプレイできる状態に整えてください。

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