ゲームの読み込み遅延やストレージ不足で快適なプレイが阻害されていませんか。
PS5用の増設ドライブは対応要件やM.2フォームファクタ、PCIe4.0対応の有無、ヒートシンクの要否など技術情報が多く、どれを選べば失敗しないか迷いやすいです。
この記事では対応要件や連続読込速度の目安、耐久性や発熱対策、取り付け手順からトラブル対処までを分かりやすく整理してお伝えします。
特に重視すべき数値の見方や実測速度の確認方法、購入時のチェックリストを段階的に解説するので、後悔しない選択ができるようになります。
まずは「最重要なポイント」から順に確認していきましょう。続きをご覧ください。
PS5 SSD選びで最重要なポイント
PS5に拡張SSDを導入する際は、性能だけでなく物理的な互換性や発熱対策まで総合的に確認することが大切です。
この記事では、購入前に絶対に押さえておきたい要件と具体的な目安を分かりやすく解説します。
対応要件
PS5で使用するには、M.2 NVMe SSDであることが前提条件です。
インターフェースはPCIe Gen4 x4を推奨します。
容量は250GBから4TBの範囲が一般的に利用可能です。
連続読込速度はメーカー公称値を確認して、目安以上であることを確認してください。
ヒートシンクの有無や外形寸法がPS5の拡張スロットに収まるかも重要です。
M.2フォームファクタ
PS5はM.2フォームファクタの複数長さをサポートしています。
最も一般的で入手性が高いのは2280サイズです。
| フォームファクタ | 表記 |
|---|---|
| 2230 | 22 x 30 mm |
| 2242 | 22 x 42 mm |
| 2260 | 22 x 60 mm |
| 2280 | 22 x 80 mm |
| 22110 | 22 x 110 mm |
表中のサイズが物理的適合の基準になりますので、購入前にPS5の拡張スロットの寸法と照合してください。
PCIe4.0対応
PS5の要求に見合った高速転送を得るにはPCIe Gen4 x4対応が重要です。
PCIe3.0のSSDは理論帯域が足りず、動作保証外または性能不足となる可能性があります。
実際の読み書き性能はコントローラやNANDの種類にも依存しますので、仕様表でGen4対応とx4レーンを確認してください。
連続読込速度目安
PS5向けには連続読込速度の目安がひとつの判断基準になります。
一般的には5,500MB/s前後を目安にすると快適に動作しやすいです。
5,000〜5,500MB/sの製品は動作する場合もありますが、ゲームローディングやストリーミング時に差が出ることがあります。
公開スペックはメーカー測定条件に依存しますので、実測ベンチマークの情報も参照することをおすすめします。
ヒートシンク要否
NVMe SSDは高負荷時に発熱するため、ヒートシンクがあると安定性が向上します。
PS5の拡張スロットはスペース制限があるため、市販の厚いヒートシンクは収まらない場合がございます。
そのため、薄型かつ放熱効率の高い低プロファイルヒートシンクを選ぶのが現実的です。
外付けの大型ヒートシンク付きモデルを買う場合は、必ずPS5の互換性情報で寸法確認を行ってください。
容量別目安
- 500GB
- 1TB
- 2TB
- 4TB
容量選びは所持タイトル数と予算で決めるのが基本です。
500GBは少数の大型タイトル向け、1TBは普段使いの標準、2TB以上はコレクション派に向いています。
価格が高くなるほど1GBあたりの単価が上がりますが、セール時はコストパフォーマンスが改善します。
購入時に重視する数値と指標
PS5用SSDを選ぶ際は、スペックの数字がそのまま体験の快適さに直結します。
読み込みの速さだけでなく、耐久性や発熱、保証といった指標も含めて総合的に判断することが重要です。
連続読込速度
連続読込速度はゲームのロード時間に最も直結する数値で、メーカー公表のシーケンシャルリード値を確認してください。
PS5の実装要件を満たす目安は明確で、これを下回るとゲームをSSDにインストールできない場合があります。
実際の挙動はコントローラやファームウェア、テスト条件で変わるため、カタログ値だけで判断しないことが肝要です。
| 用途 | 目安連続読込速度 |
|---|---|
| PS5公式推奨 | 5500 MB/s 以上 |
| 快適プレイ | 6000 MB/s 前後 |
| 将来性重視 | 6500 MB/s 以上 |
ランダム読み書き(IOPS)
ランダムIOPSは小さなファイルを頻繁に読み書きする際の実効性能を示します。
ゲームのセーブやテクスチャストリーミングなど、実運用での快適さはIOPSに影響されることが多いです。
公表値は読みと書きで分かれるため、両方のバランスを見て選ぶと良いでしょう。
TBW耐久値
TBWは総書き込み容量の目安で、長期間使うときの安心材料になります。
値が高いほど寿命の目安が上がり、頻繁に大容量データを書き込む用途に適します。
ただし実際の寿命は使用環境や温度にも左右されるため、参考指標として捉えることが大切です。
発熱仕様
高性能なNVMe SSDは発熱が大きくなるため、ヒートシンクの有無や放熱設計を確認してください。
発熱が高いとサーマルスロットリングが発生し、短時間で性能が落ちることがあります。
PS5内部の設置スペースやサーマル環境も考慮して、冷却対策がしやすいモデルを選ぶと安心です。
保証期間
保証は製品トラブル時の安全網となり、メーカーによって期間や条件が大きく異なります。
保証項目の確認ポイントを押さえると、購入後の不安を減らせます。
- 保証期間の長さ
- 国内サポートの有無
- 保証対象の範囲
- 交換対応のスピード
価格対性能比
同じクラスのスペックでも価格差が生じるため、コストパフォーマンスを必ず比較してください。
発売直後は高価になりがちで、セール時期を狙うとお得に導入できます。
最終的には自身の遊び方と予算のバランスで判断するのが賢明です。
取り付け手順と初期設定
ここではPS5へのM.2 SSD取り付けから初期フォーマットまでを、実際の手順に沿ってわかりやすく解説します。
初めての方でも安全に作業できるよう、準備と注意点を丁寧に説明します。
必要工具
| 工具 | 用途 |
|---|---|
| プラスドライバー | カバーと固定ネジの取り外し |
| ピンセット | 小ネジの取り扱い |
| 静電気防止リストストラップ | 静電気からの保護 |
| 硬い平面 | 作業場所の確保 |
事前バックアップ
重要なセーブデータは必ずバックアップしてください。
PS Plusのクラウド機能を利用するか、外付けUSBドライブにコピーしておくと安心です。
ゲーム本体データは再ダウンロードが可能ですが、設定やセーブの管理は事前に済ませておくことをおすすめします。
電源オフと静電気対策
PS5の電源を完全に切り、電源ケーブルをコンセントから抜いてください。
数分待って内部コンデンサの放電を促すと、安全性が高まります。
作業前に金属製の机などに触れて身体の静電気を逃がすか、リストストラップを使用してください。
カバー取り外し
PS5を水平に置き、爪やネジを確認しながらカバーを慎重に外します。
力任せに引っ張ると爪が折れる恐れがあるため、角から少しずつ持ち上げる感覚で作業してください。
カバーを外したら内部の埃を柔らかい布で軽く払っておくと、冷却性能が維持できます。
SSD装着
M.2スロットの位置を確認し、固定用のスタンドオフとネジの位置を把握してください。
- ネジを外す
- M.2SSDを斜めに挿入
- SSDを倒してスタンドオフに合わせる
- 付属ネジで軽く固定
SSDを斜めに差し込み、優しく押し込むとコネクタにすっと入ります。
ネジは強く締めすぎないように注意し、SSDがしっかり固定されていることを確認してください。
ヒートシンク装着
PS5はヒートシンクの有無で互換性が変わる場合があるため、サイズと厚みを事前に確認してください。
市販のヒートシンクを使う場合は付属のサーマルパッドを正しい位置に貼り、過度に厚くならないよう配置します。
ケースに戻しても干渉しないことを確認してから、カバーを閉めるようにしてください。
初期フォーマット
PS5の電源を入れ、システムソフトウェアが最新であることを確認します。
設定メニューのストレージから新しいSSDを選択し、フォーマット画面の指示に従って初期化してください。
フォーマットが完了したらストレージ管理で容量が正しく認識されているか確認し、必要ならゲームのインストール先を切り替えて動作確認を行ってください。
速度確認と最適化方法
PS5に増設したSSDは、導入して終わりではありません。
実際の速度を確認し、問題があれば最適化することでゲーム体験が大きく改善します。
ベンチマーク実行
まずはベンチマークを実行して、理論値と実測値の差を把握してください。
簡単に使えるテストはPS5内蔵の速度計測と、PC上のM.2対応ツールです。
- PS5の内蔵速度計測
- CrystalDiskMark
- AS SSD Benchmark
- メーカー提供のユーティリティ
複数のツールで計測することで、測定誤差や一時的な遅延を見分けやすくなります。
実測速度の目安
実測値の目安を知っておくと、正常かどうか判断しやすくなります。
| 用途 | 目安連続読込速度 |
|---|---|
| PS5ゲーム起動 | 5500MB/s以上 |
| ロード時間短縮 | 5000MB/s以上 |
| ストレージ拡張一般 | 3000〜5000MB/s |
これらはあくまで目安であり、実際の体感はゲームや場面で変わります。
速度低下の原因
速度が理論値より低い場合、原因を特定することが重要です。
主な原因は接続不良、サーマルスロットリング、ファームウェアの古さ、またはPS5側の設定によるものです。
まずはSSDがソケットに正しく装着されているか確認してください。
次にヒートシンクの有無やエアフローをチェックし、高温による性能低下を防いでください。
さらに長時間連続で書き込みを行うとキャッシュが枯渇し、一時的に速度が落ちる場合があります。
この場合は負荷を分散するか、休止を挟むなどの運用で改善できることが多いです。
ファームウェア更新
SSDのファームウェアは、性能や安定性に直結しますので定期的に確認してください。
メーカーのサポートページで最新版が公開されているか確認し、適用方法を把握しておくと安心です。
PCを使ったアップデートが一般的ですが、手順を誤るとデータを損なう恐れがありますので、事前にバックアップを推奨します。
アップデート後は再度ベンチマークを取り、改善があるかどうか確認してください。
PS5側の設定
PS5は外付けSSDのフォーマットと最適化を案内しますので、画面の指示に従ってください。
フォーマット後はシステムソフトウェアがSSDを認識しているか確認してください。
必要に応じてセーブデータやインストール先の設定を見直すと、ロード時間の改善につながります。
さらに問題が続く場合はPS5のデータベース再構築やソフトウェアの更新を検討してください。
よくあるトラブルと対処法
PS5にM.2 SSDを導入するときに起きやすいトラブルと、実践的な対処法をまとめます。
初めての作業でも再現しやすい問題が多いので、順を追って確認していきましょう。
認識されない問題
SSDがPS5に認識されない場合は、物理的な接続と仕様の両面をまず確認します。
向きやソケットへの差し込み、固定ネジの有無など単純な原因であることが少なくありません。
次のチェックリストに沿って順番に確認してください。
- コネクタの差し込み向き
- M.2フォームファクタの適合
- PCIeバージョンの確認
- ヒートシンクによる干渉
- PS5本体のシステム更新状況
上の項目で問題がなければ、SSDを一度取り外して再装着してみてください。
それでも認識しなければ別のM.2スロットでの動作確認や、メーカーの診断ツールで健康状態を調べると原因が判明することがあります。
フォーマット失敗
フォーマットに失敗する原因としては不良セクタやパーティション情報の破損がよくあります。
PS5側ではフォーマット処理に失敗した場合、エラーメッセージが表示されるのでメッセージを控えておくと相談に役立ちます。
まずはSSDをPCに接続してディスク管理やメーカーのユーティリティで初期化してみてください。
WindowsのDiskPartで完全消去を行うと改善するケースがありますが、操作は慎重に行ってください。
それでも駄目なときはSSDのSMART情報でリード/ライトエラーを確認し、初期不良交換を検討します。
温度上昇問題
M.2 SSDは高負荷で温度が上がりやすく、PS5環境では特に放熱対策が重要です。
以下の表は代表的な症状と対処法を簡潔に示したものです。
| 症状 | 対処法 |
|---|---|
| 短時間で温度上昇 動作が不安定になる |
ヒートシンク取り付け 冷却の良い位置へ設置 |
| 長時間の高負荷でサーマルスロットル | 放熱面積の増加 エアフローの改善 |
| ヒートシンクが干渉して装着不能 | 薄型ヒートシンクへ変更 メーカー純正サイズを確認 |
温度管理の基本はヒートシンクの適切な選定とPS5本体内部での空気流を妨げないことです。
ベンチマークで高温が確認できるなら、取り付け位置の見直しや別の薄型ヒートシンクを試してみてください。
なおSSDが異常に高温を示す場合は使用を中止して、メーカーサポートへ連絡することをおすすめします。
互換性エラー
互換性エラーは要件のどれかが満たされていない場合に発生します。
PS5が要求するM.2の長さや厚さ、PCIe4.0対応といった基本仕様を再確認してください。
ヒートシンクが厚すぎるとカバーが閉まらず互換性エラーのように見えることがありますので注意が必要です。
ドライブがNVMeではなくSATAタイプだと認識されないため、購入時に規格を間違えないよう気を付けてください。
最新のPS5システムソフトウェアに更新することで解決することもあるので、導入前に本体更新を行ってください。
どうしても解決しない場合は、購入先やSSDメーカーの互換性リストを確認し、問い合わせるのが確実です。
セーブデータ転送時の注意
セーブデータを移動する際は事前のバックアップが最も重要です。
PS PlusのクラウドセーブやUSB外付けへのバックアップを活用して、万一に備えてください。
ゲーム本体データとセーブデータは扱いが異なりますので、移行手順を誤らないよう注意が必要です。
転送中に電源を切ったり、ケーブルを抜いたりするとデータ破損の原因になります。
大容量ゲームの移動は時間がかかるため、十分な空き容量と時間を確保してから作業してください。
また、セーブデータの互換性はゲームごとに異なるため、メーカー情報を確認してから移行することをおすすめします。
導入で失敗しない最終チェックリスト
PS5へのSSD導入前に確認すべきポイントを簡潔にまとめました。
取り付け前の準備から、動作確認まで抜け漏れがないようにご確認ください。
- PS5公式の対応要件確認
- M.2フォームファクタとサイズチェック
- PCIe4.0対応の有無確認
- 連続読込速度が目安を満たすこと
- ヒートシンクの干渉と取り付け可否
- 容量とTBWのバランス確認
- 取り付け用工具と静電気対策の用意
- 事前バックアップの実行と保存場所確認
- 取り付け後の初期フォーマットとファーム更新
このチェックリストをもとに最終確認を行い、安全かつ確実に導入を進めてください。

