ROG ALLYのストレージ不足や起動遅延に悩んでいませんか。
小型フォームファクタやバッテリー周りの扱いに不安があり、換装に踏み出せない人が多いのも事実です。
この記事ではバックアップ作成からケース分解、M.2取り外し・取り付け、OS再インストールまで現場で使える手順をわかりやすく解説します。
対応規格や必要工具、推奨SSDモデル一覧、発熱や認識トラブルの対処法も網羅しています。
初めての人向けに安全対策とチェックリスト、よくある失敗回避のコツも盛り込みました。
まずは準備の章から順に確認して、安全かつ確実に換装を進めましょう。
ROG ALLYSSD交換手順
ここではROG Allyの内蔵SSDを安全に交換するための手順をわかりやすく解説します。
バックアップからOS再インストールまで、実作業で失敗しないポイントを順に説明いたします。
バックアップ作成
まず重要なのは必ずデータのバックアップを取ることです。
万一のデータ消失に備えて、複数の媒体に保存しておくと安心です。
- OSイメージ
- ユーザーファイル
- ゲームセーブ
- ドライバとライセンスキー
クラウドと外付けストレージを併用すると復旧がスムーズになります。
電源完全遮断
ACアダプターを外し、本体の電源を完全に切ってください。
電源ボタンを10秒ほど長押しして残留電流を抜くと安全性が高まります。
外付けUSB機器やmicroSDカードなども事前に取り外してください。
ケース分解
精密ドライバーで背面のネジを取り外しますが、ネジの位置をメモしておくと組み立て時に便利です。
プラスチックオープナーでこじ開けるときは爪や角を傷めないように、少しずつ力を加えてください。
内部には細かなコネクタやフックがあるため、無理に引っぱらないことが重要です。
バッテリーコネクタ切断
内部が見えたらまずバッテリーコネクタを慎重に外します。
コネクタは小さいのでピンセットや指の腹でまっすぐ引き抜くと安全です。
ここで電源が遮断されていないと、SSD交換中にショートする危険がありますので必ず行ってください。
既存SSD取り外し
M.2 SSDは固定ネジを外すと軽く持ち上がりますので、斜め方向に引き抜いてください。
金属端子には触れないようにして、静電気に注意しながら作業を進めます。
ネジやスペーサーは無くさないように小箱にまとめて保管してください。
新SSD取り付け
購入したSSDが対応規格とフォームファクタに合致しているか、再度確認してください。
| 部品 | 仕様 |
|---|---|
| M.2 SSD | 2230フォームファクタ |
| M.2固定ネジ | 長さ2mm |
SSDを斜め約20度の角度でスロットに差し込み、端子が完全に挿入されたことを確認してください。
取り付け後は付属のM.2固定ネジで軽く固定し、ネジは過度に締め付けないでください。
ケース復元とネジ締め
バッテリーコネクタを元に戻し、内部配線が挟まれていないか最終確認します。
背面カバーをはめ込み、ネジを元の位置に戻していきますが、順序を守ると組み立てが楽になります。
ネジは均等に締めて、筐体に歪みが出ないように配慮してください。
OS再インストール
新しいSSDを認識させるために、まずBIOSでストレージが表示されるか確認します。
USB回復ドライブから起動し、Windowsのクリーンインストールを行う手順が一般的です。
インストール後はチップセットドライバやグラフィックドライバを最新にして、バックアップからデータを復元してください。
Cloud Recoveryを利用する場合はネットワーク環境とアカウント情報を事前に準備しておくと便利です。
準備と必要工具
ROG ALLYのSSD交換を安全かつ確実に行うには、事前準備が重要です。
必要工具を揃えることで作業時間を短縮でき、トラブル発生のリスクを減らせます。
精密ドライバーセット
ケースを開けるときに最も使う工具が精密ドライバーセットです。
サイズ違いのビットが揃っていることを確認してください。
- Phillips PH00
- Phillips PH000
- Torx T5
- Torx T6
- Triwing Y0
磁気ドライバーはネジの保持に役立ちますが、磁力が強すぎると基板に影響することがあるため注意が必要です。
プラスチックオープナー
プラスチックオープナーを使うと爪やケース外装を傷つけずに分解できます。
金属製のヘラを使うと塗装剥がれや内部部品の破損につながるため、プラスチック製を推奨します。
薄型で硬さのあるものを数種類用意すると、隙間ごとに使い分けでき便利です。
M.2固定ネジ
M.2 SSDの固定には専用ネジが必要で、紛失しやすい部品です。
| ネジサイズ | 用途 |
|---|---|
| M2×3 | 一般的なM.2固定 |
| M2×3.5 | 一部のスペーサが必要な機種用 |
交換時の予備として同サイズのネジを1本余分に用意しておくと安心です。
静電防止リストストラップ
静電気は電子部品の天敵であり、小さな放電で故障が発生することがあります。
リストストラップを着用し、作業中は金属アースに確実に接続してください。
もしストラップがない場合は、作業前に金属物に触れて体の静電気を放電すると良いでしょう。
USB回復ドライブ(空8GB以上)
OSの再インストールやCloud Recoveryの実行に備えて、空のUSBメモリを用意してください。
容量は最低8GB以上を推奨し、可能なら16GBを用意すると余裕があります。
回復ドライブを作成する際は、公式サイトの手順に従い、データを上書きしないよう注意してください。
対応規格と制約
ROG ALLYで使用できるSSDの規格と守るべき制約をまとめます。
物理寸法や転送規格、電力周りの条件を満たさないと交換後に不具合が出る可能性がありますので、事前確認が重要です。
M.2 2230
M.2の中でも2230は長さ22mm幅30mmの小型フォームファクタを指します。
ROG ALLYはこのM.2 2230にのみ対応しており、他の長さのモジュールは取り付けられませんので注意してください。
コネクタはMキーが一般的ですが、実際の端子形状は本体の仕様書を確認してください。
- M.2 2230
- 長さ 22mm
- 幅 30mm
- Mキーコネクタ
- 片面実装推奨
PCIe Gen4×4
ROG ALLYはPCIe Gen4×4に対応しており、高速な読み書きが可能です。
しかし、実効速度は発熱やサーマルスロットリング、消費電力制約の影響を受けますので理論値どおりとは限りません。
Gen3のSSDでも利用できますが、転送帯域は落ちますから、速度要件に応じて選択してください。
フォームファクタ寸法
物理的なクリアランスやネジ位置は非常に重要です、取り付け前に寸法を必ず確認してください。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 長さ | 22mm |
| 幅 | 30mm |
| 厚さ | 片面実装 1.5mm程度 |
| ネジ位置 | M.2 2230 標準 |
電力供給上限
ROG ALLYはポータブル機器ですので供給できる電力量に上限があります。
高性能SSDはピーク時に大きな電流を要求することがあり、システム全体の安定性に影響する場合があります。
メーカーの消費電力仕様と、実運用でのスパイク値を比較して選ぶことをおすすめします。
モバイル向けに最適化された低消費電力モデルを候補に入れると安心感が高まります。
SSDモデル候補一覧
ROG ALLYに最適なM.2 2230 SSDを探している方向けに、実際の候補を用途別にわかりやすく紹介します。
読みやすさと実用性を重視しつつ、性能面と互換性の両方を押さえた解説を心がけました。
Western Digital WDS100T3X0G-EC
Western DigitalのWDS100T3X0G-ECは、総合バランスが非常に良い製品です。
読み込み性能と書き込み耐久性の両方で安定しており、ゲーム用途でも安心して使えます。
発熱対策が必要な場面もありますので、筐体内のエアフローを意識するとよいでしょう。
CORSAIR MP600 CORE mini
CORSAIRのMP600 CORE miniはゲーム向けに設計された高性能モデルです。
小型フォームファクタ向けに最適化されており、ROG ALLYでの実用性も高いです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 容量 | 500GB 1TB 2TB |
| インターフェース | PCIe Gen4 NVMe |
| 性能目安 | 高いシーケンシャル性能 ゲームロード向け |
表で示したように、容量バリエーションが豊富で選びやすい点が魅力です。
Seagate FireCuda 520N
SeagateのFireCuda 520Nは耐久性を重視するユーザーに向いています。
書き込み負荷が高い作業でも安定しやすく、長期利用を考えると有力な選択肢です。
ただし、コスト面と発熱のバランスは検討が必要です。
Micron 2400 2230 2TB
Micron 2400は高耐久と高速を両立した注目モデルです。
- 容量 2TB
- 省電力設計
- 長寿命 NAND採用
- ゲームや配信向けの高速性能
特に大容量を求めるユーザーや、長期間安定して使いたい方におすすめできます。
Silicon Power M.2 2230 1TB
Silicon Powerの1TBモデルはコストパフォーマンスに優れています。
価格を抑えつつ容量を確保したい場合に有力で、ライトユーザーには最適です。
ただし、ピーク性能や耐久性は上位モデルより劣る点に注意してください。
Kingston NV2 2230
Kingston NV2はエントリーレベルの手軽さが魅力です。
低消費電力で日常的な用途に十分対応し、価格重視の選択肢として評価できます。
大容量ゲームライブラリを頻繁に入れ替える用途だと、上位の高性能SSDを検討したほうが満足度が高くなります。
トラブルシューティング
ここではROG ALLYのSSD交換後に起こり得る代表的なトラブルと、その原因別対処法を分かりやすく解説します。
初心者でも試せる確認手順から、やや高度な診断まで網羅しており、早期解決を目指します。
起動しない
電源を入れてもWindowsやブートメニューが表示されない場合、ハードウェア接続やブート設定が原因であることが多いです。
まずはバッテリーと電源を完全に切り、SSDのコネクタやネジの緩みを確認してください。
| 症状 | 原因候補 | 推奨対応 |
|---|---|---|
| 電源は入るが画面が真っ黒 | 接続不良 | SSD再着脱 |
| BIOSに入れない | UEFI設定 | セキュアブート確認 |
| ブートオプションにSSDがない | 認識されていない | 別ドライブで起動して検査 |
BIOSやUEFI設定でNVMeを無効化している場合がありますので、起動時にBIOSを開いてストレージ関連の設定を確認してください。
セキュアブートやCSM設定が原因でOSが起動しないケースもありますので、必要に応じて設定を切り替えてみてください。
それでも起動しない場合は、元のSSDに戻して動作確認をし、問題がSSD固有かどうかを切り分けましょう。
SSD未認識
SSDがOSやBIOSで認識されない場合、物理的接続以外にもドライバーや電力供給が関係します。
まずはSSDを一度取り外し、端子の汚れや異物がないかを確認してください。
- 端子の目視確認
- M.2スロットの異物除去
- M.2ネジの締め忘れチェック
- BIOSアップデートの確認
- 別のPCでの認識確認
上記で改善しない場合、BIOSのNVMeドライバーやストレージ関連の設定を見直す必要があります。
Windows上でSSDが未表示なら、ディスクの管理で未割当領域やオフライン状態になっていないか確認してください。
外部要因としては、電力制限や基板側のM.2スロット故障も考えられますので、別のSSDで動作確認を行うのが確実です。
書込速度低下
書込や読み込み速度がスペックより遅い場合、ファームウェアやドライバー、熱によるサーマルスロットリングが原因です。
まずはSSDのファームウェアアップデートを確認し、最新の状態にしてください。
次にAHCIやNVMeドライバーが最新か、メーカー推奨のドライバーを導入しているかを確認します。
WindowsでTRIMが有効かどうかをチェックし、有効でなければコマンドで有効化してください。
大容量ファイル連続書込で速度が落ちる場合、SLCキャッシュ切れや温度上昇が原因のことが多いです。
軽微な速度低下であれば、空き容量を確保することで回復することがあります。
発熱問題
M.2 2230フォームファクタは基板上で熱がこもりやすく、性能低下の原因となります。
まずは換気や使用環境の改善を行ってください。
必要に応じて薄型の放熱パッドやサーマルシートを取り付けると効果的です。
冷却効率を上げるためにゲーム設定で消費電力を抑えることも検討してください。
SSD自体が高温に頻繁になる場合は、長期的な寿命低下を招くため早めの対策をおすすめします。
Cloud Recovery失敗
ROGのCloud Recoveryで失敗する場合、ネットワークやイメージの互換性が問題となることがあります。
まずは別のネットワークに接続して再試行してください。
USB回復ドライブを使ってローカルから再インストールを試すのも有効です。
ASUSやROGの公式サイトで最新のリカバリイメージや手順が公開されているか確認してください。
それでも復旧できない場合は、リカバリ用のUSBメディアで起動し、ディスクの初期化とクリーンインストールを行うことを検討します。
専門的なサポートが必要な場合は、購入店かASUSサポートに連絡して指示を仰いでください。
作業前の最終確認
交換作業を始める前に、重要な確認点をひとつずつ確実にチェックしてください。
バックアップは外付けドライブかクラウドに保存されていることを確認してください。
電源を完全に切り、ACアダプターと周辺機器を取り外してから作業を開始してください。
静電気対策として、静電防止リストストラップを装着することをおすすめします。
必要工具と交換用SSDの互換性を再確認し、M.2 2230のサイズとネジ位置を合わせてください。
内部作業に自信がない場合は、無理をせず専門ショップに依頼してください。
最後に、作業時間の確保と、作業後のOS復旧手順と回復ドライブを用意しておくことを忘れないでください。

