Crucial製SSDへの換装や容量アップ、動作遅延でクローンを検討していると、手順や失敗の不安がつきまといます。
実際には事前準備不足や機材・ソフトの非対応、パーティション操作ミスが原因でデータ消失や起動不能に陥ることが多いのが現実です。
本記事は事前準備、バックアップ、接続と電源確認、クローンソフトの設定から実行、起動確認までの手順を段階的に解説します。
さらにSATA/NVMeやM.2の互換性確認、代表的ソフトの比較、容量やパーティション調整とトラブル対処も具体例で示して安心して作業できるようにします。
まずは事前準備のチェックポイントから順に進めていきましょう。
Crucial SSDクローン手順

Crucial製SSDへのクローン作業は注意点を抑えれば安全に実行できます。
ここでは事前準備から起動確認まで、実用的な手順を丁寧に解説します。
事前準備
まずは現在のシステム構成とデータ容量を把握してください。
OSや重要なアプリケーションの動作要件を確認すると後で慌てません。
クローン先SSDの容量が元ドライブと同等以上であることを必ず確認してください。
トリムやファームウェアのアップデートについても事前に確認することをおすすめします。
暗号化ソフトやドライブ暗号化が有効な場合は、事前に解除または復号手順を確認しておくと安全です。
バックアップ作成
クローン作業前に必ずバックアップを作成してください。
システムイメージは外付けHDDやネットワークストレージに保存すると安心です。
ユーザーデータとシステム状態を別々に保存する運用が望ましいです。
バックアップ作成後はリストア手順を一度確認して、実際に復元できるか検証してください。
小さなファイルの欠損でも問題となるため、チェックサムやファイル数の照合を行うと良いです。
必要機材確認
作業を始める前に必要な機材を揃えておきましょう。
- Crucial SSD
- 接続ケーブル
- ドライバー
- クローン対応ソフト
- 外付けケースまたはSATA to USBアダプタ
ノートPCの場合はメーカーの分解ガイドを参照して、内蔵交換の可否を確認してください。
接続と電源確認
デスクトップではSATAケーブルと電源コネクタの接続を確実に行ってください。
NVMeの場合はM.2スロットにしっかり挿入し、固定ネジを締めて安定させます。
外付けケースやアダプタを使う場合はUSBの転送規格がボトルネックにならないか確認してください。
電源供給が不安定だと書き込みエラーやデータ破損につながるため、安定した電源を使用すると安心です。
ホットスワップを行う際はOSのアンマウントや安全な取り外しを必ず実施してください。
クローンソフト設定
まずはソースドライブとターゲットドライブを正しく認識しているか確認します。
クローン方法にはパーティション単位、ディスク丸ごと、セクタ単位など複数の選択肢があります。
通常はファイルベースのクローンで十分ですが、OSレベルでの完全一致が必要ならセクタコピーを利用してください。
UEFIやLegacyのブート方式に合わせてターゲットのブート設定を最初に決めておくと失敗が少なくなります。
以下は推奨設定の簡易表です、状況に応じて選択してください。
設定項目 | 推奨値 |
---|---|
ブート方式 | UEFI |
パーティション形式 | GPT |
クローン方式 | 自動リサイズ |
セクタコピー | 必要時のみ |
クローン実行前に不要ファイルの整理やディスクのデフラグを行うと、処理時間が短くなる場合があります。
クローン実行
ソフトの設定を確認したらクローン処理を開始してください。
処理中は電源を切らないように注意し、PCやアダプタを移動させないでください。
クローン時間はドライブ容量と転送速度に依存します、余裕を持って実行してください。
エラーが出た場合はログを保存して、メーカーのサポート情報を参照すると解決が早まります。
処理完了後はソフトが提示する整合チェックやサマリを確認して完了を判断してください。
起動確認
クローン先からの起動を試みる前に、元ドライブは外すか優先順位を下げてください。
BIOSまたはUEFIでブート順を変更し、ターゲットSSDを最優先に設定します。
正常に起動したらデバイスマネージャやディスク管理で認識状況を確認してください。
必要に応じてブート修復ツールやbcdeditでブート情報を修正すると起動問題を解消できます。
最後にTRIMが有効かを確認し、ファームウェア更新があれば適用しておくと長期的に安定します。
互換性と対応機種確認

SSDクローンを始める前に、対象となるCrucial SSDと既存システムの互換性をしっかり確認しておくことが重要です。
接続方式やフォームファクタ、PCのBIOS/UEFI設定によってはクローン後に起動しないことがあるため、事前チェックで手戻りを減らせます。
SATAモデル
SATA接続のCrucial SSDは汎用性が高く、多くのデスクトップやノートPCでそのまま使えます。
SATA IIIは最大6Gbpsの帯域を持ち、クローンスピードはこのインターフェースで頭打ちになります。
SATA SSDを外付けでつなぐ場合はSATA-USBアダプタやドッキングステーションの互換性を確認してください。
古いマザーボードではAHCIやIDEモードの設定差が起きるため、クローン前にBIOSのストレージ設定を確認すると安心です。
NVMeモデル
NVMeはPCIeベースの高速接続を利用するため、クローン元・先ともにNVMe対応であることが望ましいです。
多くのクローンソフトはNVMeをサポートしますが、ソフトがUEFIベースのブートやNVMeドライバを正しく扱えるかを確認してください。
古いWindows環境ではNVMeドライバが組み込まれていない場合があるため、クローン後に起動しないリスクがあります。
クローン先にNVMeを使う際はマザーボードのファームウェア更新やスロットの物理互換性も見ておくとよいです。
M.2フォームファクタ
M.2には長さやキー形状の違いがあり、物理的に合わないと取り付けられません。
クローン前にM.2スロットの対応サイズとキータイプを手持ちのSSDと照らし合わせてください。
次の表は、代表的なM.2サイズと用途の簡易比較です。
規格 | 特徴 |
---|---|
2230 | 22幅 30長さ 軽量機器向け |
2242 | 22幅 42長さ 小型ノート向け |
2260 | 22幅 60長さ バランス型 |
2280 | 22幅 80長さ デスクトップと一般ノート向け |
22110 | 22幅 110長さ 高容量サーバ向け |
デスクトップとノートPC
デスクトップとノートでは取り回しや取り付けスペース、冷却要件が異なります。
ノートは物理スペースの制約があり、M.2長さや厚みが重要になります。
デスクトップは複数スロットや変換アダプタの利用が容易で、クローン作業がしやすい傾向です。
- 物理サイズの確認
- BIOS/UEFIのブート順設定確認
- 冷却とエアフローの余地
- 電源接続の余裕
どちらの環境でも、クローン後は新しいドライブを優先してブート順を切り替えるのを忘れないでください。
外付けケース利用可否
外付けケースやUSBアダプタを使えば簡単にクローン先ドライブを一時接続できます。
ただしUSBインターフェースの速度がボトルネックになり、特にNVMeは本来の性能が出ないことがあります。
クローン中に外付けケースの電源が不安定だと書き込みエラーやデータ破損の原因になりますので、信頼できる製品を選んでください。
起動ドライブとして使う場合は、その外付けケースがブートをサポートするかを事前に確認してください。
代表的クローンソフト比較

代表的なクローンソフトを比較し、用途別のおすすめをわかりやすく解説します。
性能、対応フォーマット、操作性、価格の観点から比較し、初めてクローンを行う方にも選びやすい情報を提供します。
Acronis True Image for Crucial
AcronisはCrucial製ドライブの一部モデルでバンドルされることがあり、公式サポートが期待できます。
GUIがわかりやすく、ディスククローンとイメージバックアップの両方に対応しており、暗号化やランサムウェア対策などの追加機能が充実しています。
有料版は機能豊富ですが、無料提供版では一部機能が制限される点に注意が必要です。
主な特徴 | 適したユーザー |
---|---|
公式サポート GUIで簡単 イメージバックアップ |
家電量販店購入者 公式サポートを重視する人 初心者〜中級者 |
Macrium Reflect
Macrium Reflectは信頼性が高く、商用にも広く使われています。
無料版でもクローン機能とレスキューメディア作成が可能で、復旧に強い点が評価されています。
操作はやや専門的ですが、詳細なオプションで細かな調整が行えます。
- 高速で信頼性が高い
- 無料版あり
- レスキューメディア作成可能
- 詳細なログとスケジュール機能
EaseUS Todo Backup
EaseUSは初心者向けの親切なUIが特徴で、画面の案内に従えば迷いにくい作りです。
クローンとバックアップの両方を直感的に実行でき、パーティションのリサイズ機能も備えています。
ただし、高度な設定や大規模な一括運用には有料版が必要になるケースが多いです。
Clonezilla
Clonezillaはオープンソースで無料、軽量かつ高機能なイメージベースのツールです。
GUIはなく、操作はコマンド寄りなので上級者向けになりますが、複数台のクローンやネットワーク経由の展開に強みがあります。
パーティションの自動リサイズは限定的で、使いこなしには事前準備と学習が必要です。
AOMEI Backupper
AOMEIは使いやすさと機能のバランスがよく、個人利用で人気があります。
クローン、バックアップ、同期など基本機能が揃い、無料版でも日常的な用途は賄えます。
企業向けの大規模展開よりも、個人や中小規模での運用に適している印象です。
4DDiG Partition Manager
4DDiGはパーティション管理に強みを持ち、クローンに加えて細かな領域操作が行えます。
ディスクの再配置や未割当領域の処理を伴うクローン作業で便利ですが、純粋なクローン専用ツールほど手軽ではありません。
パーティション操作を伴う移行作業を行う場合に検討すると良いでしょう。
容量とパーティション操作

クローン作業で最も重要なのは、元のドライブの使用容量とターゲットSSDの容量を正確に把握することです。
事前に容量の確認やパーティション操作の方針を決めておけば、途中で止まってしまうリスクを減らせます。
容量確認
まずは現在のシステムで使われている総容量と、各パーティションの占有率をチェックしてください。
Windowsならディスクの管理やエクスプローラーのプロパティ、Macならディスクユーティリティで確認できます。
項目 | チェックポイント |
---|---|
使用中容量 | 実データサイズ |
システムイメージ | リカバリ領域含む |
ターゲット容量 | 余裕を持たせる |
暗号化状態 | BitLockerなど |
隠しパーティションやリカバリ領域、暗号化されたボリュームは見落としやすいので、必ず確認してください。
また、ターゲットが小さい場合はパーティション縮小が必要になりますから、縮小可能な余地を把握しましょう。
パーティション縮小
元ドライブのデータがターゲットSSDに収まらない場合、不要ファイルの削除やパーティションの縮小が必須です。
縮小作業はツールによって結果が変わりますから、信頼できるソフトを選択してください。
- ディスククリーンアップ実行
- ページファイルと休止ファイルの一時無効化
- 不要なアプリやデータの削除
- システム復元ポイントの削除
- デフラグを必要に応じて実行
Windows標準のディスクの管理で縮小できない場合、移動できないファイルが原因です。
そのときはサードパーティ製のパーティションソフトを使用して、安全に縮小を試みてください。
縮小前には必ずバックアップを取り、作業中の電源断に備えることが重要です。
パーティション拡張
クローン後に未割当領域が残る場合、既存パーティションを拡張して領域を有効活用できます。
Windowsではディスクの管理や、GPartedやAOMEIなどのツールで拡張作業が可能です。
システムパーティションを拡張する際は、ブートへの影響を避けるため、手順を確認してから実行してください。
拡張時にはパーティションのアライメントにも注意が必要で、特にSSDでは性能に影響します。
ファイルシステムの種類によってはオンライン拡張ができない場合がありますから、事前に対応可否をチェックしてください。
ブートパーティション設定
クローン後に最もよく起きる問題は、ブート関連の設定不足による起動不能です。
UEFI環境ではEFIシステムパーティションが正しく存在し、ブートローダーが登録されていることを確認してください。
BIOS/Legacy環境ではシステムパーティションをアクティブに設定する必要があります。
Windowsの場合はbcdbootやbootrecコマンドでBCDを書き直すと復旧できることが多いです。
BitLockerなどのドライブ暗号化を使用している場合は、暗号解除や回復キーの準備を忘れないでください。
未割当領域の処理
未割当領域はその場で拡張に使うか、新パーティションとして割り当てるか、あるいは将来のために残すか選べます。
新しくパーティションを作成する場合はファイルシステムと用途を決めてからフォーマットしてください。
複数OSを使う予定があるなら、パーティション構成を綿密に計画しておくと後の作業が楽になります。
また、ディスク全体を再構成する必要がある場合は、GPTとMBRの違いに注意してから操作してください。
最後に、どの操作でもバックアップを取り、手順を確認しながら慎重に進めてください。
クローン作業で起きる代表的トラブル

クローン作業では接続やソフトの設定、そしてパーティションの扱いなど、さまざまな要因で問題が発生します。
ここでは頻出するトラブルを項目ごとに整理し、原因と簡単な対処法をわかりやすく解説いたします。
実作業前の注意点として、落ち着いて一つずつ潰していく姿勢が重要です。
接続不良
ケーブルの緩みや電力不足が最も多い原因でございます。
特にSATAケーブルは奥まで刺さっているか、ロックがかかっているかを必ず確認してください。
- SATAケーブルの差し直し
- 別のケーブルでの再確認
- 電源コネクタの確実な接続
- USB変換アダプタの交換
外付けケースやUSB-SSDアダプタを使っている場合は、ケースの電源供給やUSBポートの規格も疑ってください。
ドライブ未認識
ドライブ自体をBIOSやOSが認識しないケースは冷静な切り分けが必要でございます。
まずはBIOS画面で物理的に接続が検出されているかを確認してください。
認識されない場合はケーブルや電源、別スロットでの確認を行い、それでも駄目ならドライブの故障を疑います。
OS上で未割当やドライブが表示されるがクローン対象に現れない場合は、パーティションテーブルやドライブの初期化状態をチェックしてください。
ブートエラー
クローン後にOSが起動しない事例はよく発生します。
原因はブートローダやパーティションフラグ、UEFI設定など多岐にわたりますので順を追って確認する必要がございます。
症状 | 対処 |
---|---|
ブートデバイスが見つからない | BIOS起動順の変更 |
EFIブート失敗 | セキュアブート設定確認 |
BCDエラー | ブート修復ツール実行 |
テーブルに示した項目を順に確認し、必要なら修復ディスクやコマンドでブート情報の再構築を行ってください。
とくにUEFIとレガシー(CSM)の切り替えミスは見落としやすい点ですので注意が必要です。
パーティション不整合
クローン先の容量が不足したり、パーティション配置が崩れるとOSが正しく動作しない恐れがあります。
元ドライブのパーティション構成を事前にメモし、クローン設定でサイズ調整やパーティションのマッピングをきちんと行ってください。
必要であればクローン前に不要ファイルを削除し、パーティションを縮小しておくと安全です。
クローン後に未割当領域が残る場合は、ディスク管理ツールで拡張や割当てを行ってください。
書き込みエラー
クローン中に書き込みエラーが出るとプロセスが途中で止まることがあります。
エラーメッセージを確認し、スマート情報やドライブの健康状態をチェックしてください。
不良セクタや寿命が原因の場合は無理に続行せず、新しいドライブへの交換を検討する方が安全です。
ソフトウェア非対応
使用するクローンソフトが特定のファームウェアやコントローラをサポートしていないことがあります。
事前にソフトの対応ドライブやOSバージョンを確認し、公式の互換性情報を参照してください。
対応外だった場合は別のクローンツールを試すか、イメージバックアップと復元で代替する方法を検討する必要がございます。
商用のSSDでは専用ツールが提供されていることもありますので、メーカーの案内も合わせて確認していただくと安心です。
実行前の最終チェックポイント

クローン作業を始める前に、以下の項目を必ず確認してください。
電源や接続が安定しているか、ターゲットドライブが充分な容量を持っているかを確認してください。
重要データのバックアップが別媒体に保存されているか、必要なドライバが用意されているかを確認しておくと安全です。
BIOSやUEFIでのブート順序、セキュアブート設定、ストレージモード(AHCI/RAID)なども事前に確認してください。
クローンソフトのバージョンとCrucial製品の互換性をチェックし、ファームウェアが最新であれば更新しておくことをおすすめします。
- 電源とケーブルの確実な接続
- バックアップの作成済み
- ターゲット容量の確認
- ドライブ型番とフォームファクタの確認
- BIOS/UEFIのブート設定確認
- クローンソフトとファームウェアの互換性