外付けSSDから起動しようとしたのに画面が止まったり起動ディスクとして認識されないと、作業が進まず本当に困りますよね。
原因はケーブルやハブの不良、外付けケースのチップ互換性、フォーマットの不一致やセキュリティ設定、そしてAppleシリコンとIntelで異なる起動仕様など多岐にわたります。
この記事ではまず試すべき再起動やセーフモード、起動ディスク選択、NVRAMリセットといった基本手順から、diskutilやblessによる検査・修復まで実践的に案内します。
接続の切り分け、ケースやフォーマットの確認、機種ごとの注意点と優先対応を明確にするので無駄な作業を減らせます。
まずは基本の確認から順に進めていきましょう。本文で該当手順を詳しく解説します。
Mac 外付けSSDから起動できない時の具体的な対処手順

外付けSSDから起動できないときは、原因の切り分けを順番に行うことが大切です。
単純な再起動からファームウェアやハードウェアの確認まで、段階的に進めると効率よく復旧できます。
再起動
まずはMacと外付けSSDを一度シャットダウンしてから再起動してください。
外付けSSDは一度抜き差ししてから再接続すると認識が復活する場合があります。
電源供給が必要なケースやハブ経由で接続している場合は、直結して試すことをおすすめします。
セーフモード起動
セーフモードで起動すると不要なドライバや拡張が無効化され、問題の切り分けに役立ちます。
Intel Macでは起動直後にShiftキーを押し続けてセーフモードに入ります。
Appleシリコン搭載Macではいったん電源を切り、電源ボタンを長押しして起動オプションを表示し、起動ディスクを選んだ後にShiftを押してセーフモードで続行します。
起動ディスク選択
起動時に外付けSSDを選択できるかを確認します。
Intel機では起動時にOptionキーを押し続けると起動ディスク選択画面が表示されます。
Appleシリコンでは電源ボタン長押しで表示される起動オプションから外付けSSDを選択します。
選択できた場合はシステム環境設定の「起動ディスク」で設定を保存すると次回から自動で外付けSSDから起動できます。
NVRAMリセット
NVRAMのリセットは一部の起動トラブルで有効です。
Intel Macでは起動時にOption+Command+P+Rを同時に押し、20秒ほど保持してから離してください。
AppleシリコンではNVRAMのリセットが自動で管理されるため、同手順は不要ですが、再起動やセーフモードの利用で代替できます。
別ポート・別ケーブル確認
まずは接続経路の確認を行ってください。
- 直接Macのポートに接続
- 別のUSBケーブルを使用
- 別のポートで試す
- ハブやドッキングステーションを外して再接続
- 別のMacで認識確認
ケースとチップ確認
外付けSSDを収めるケースや変換チップが起動に影響することが多いです。
チップ | 互換性の目安 | 備考 |
---|---|---|
ASMedia | 良好 | 一般的に起動可能 |
JMicron | 可 | モデルで差がある |
Realtek | 不安定 | 起動不可となる場合あり |
メーカーのサポート情報や実際のユーザー報告を確認して、起動対応のケースかどうか判断してください。
ディスクユーティリティでFirst Aid
macOSのディスクユーティリティでFirst Aidを実行してファイルシステムの問題を修復します。
外付けSSDがマウントされている場合はディスクユーティリティで対象ディスクを選び、First Aidを実行してください。
起動時に認識しない場合はmacOSリカバリからディスクユーティリティを起動して同様の手順を試してください。
修復できない場合は重要データのバックアップを取り、必要なら消去して再フォーマットすることをご検討ください。
ターミナルで検査
ターミナルを使うとより詳細な情報が得られます。
まずはディスク一覧を確認するためにdiskutil listを実行してください。
外付けSSDの識別子が分かったら、diskutil info diskXsYで情報を確認します。
マウントできない場合はdiskutil mount diskXsYやdiskutil repairVolume diskXsYを試すと改善することがあります。
ブート設定を書き換える必要がある場合はblessコマンドで起動フォルダを指定する方法もありますが、操作を誤ると起動不能になるため慎重に実行してください。
外付けSSDが起動ディスクにならない主な原因

外付けSSDが起動ディスクとして認識されない原因は多岐にわたります。
接続周りの問題からフォーマット、セキュリティ設定や物理故障まで、原因ごとに対処法が変わります。
ここでは代表的な原因を分かりやすく整理し、確認ポイントを提示します。
接続インターフェース非対応
外付けSSDとMacの間で使われている接続規格が起動に対応していない場合があります。
たとえば一部のUSB接続のアダプタや古いUSB規格は、起動ドライブとして扱えないことがあります。
ThunderboltやUSB‑Cといった高速なインターフェースなら起動優先度が高い場合が多いですが、対応状況は機器ごとに異なります。
ケーブル・ハブ不良
ケーブルやハブの不具合で信号が正しく伝わらず、起動に失敗することがよくあります。
簡易チェックを行うと原因切り分けが早く済みます。
- 別のケーブルで接続
- 別のポートで接続
- ハブを介さず直結で接続
- 電源供給のあるケーブルに変更
これらを順に試せば、ケーブルや中継機器に問題があるかどうか判別できます。
外付けケースのチップ非対応
SSD本体は問題なくても、外付けケースに搭載された橋渡し用のチップが起動に非対応の場合があります。
USB‑SATAブリッジのファームやチップセットによっては、ブート時にディスクを見せない仕様が存在します。
ケースのメーカーやチップ名を確認し、起動対応をうたっている製品か調べてください。
フォーマット形式不一致
起動可能なフォーマットでないと、macOSは外付けSSDを起動ディスクとして扱いません。
特にAPFSやMac OS Extendedの違いと、暗号化の有無が影響することがあります。
フォーマット | 起動の可否 |
---|---|
APFS | 起動可能 現行macOS対応 |
Mac OS Extended HFS+ | 起動可能 古いmacOS対応 |
exFAT | 起動不可 |
NTFS | 起動不可 |
上の表を基準に、必要に応じてディスクユーティリティで再フォーマットすることが重要です。
セキュリティ設定
T2チップ搭載MacやAppleシリコン機では、外部ブートの許可設定が嚙み合わないと起動できません。
起動セキュリティユーティリティで「外部からの起動を許可」しているか確認してください。
許可されていない場合は、設定を変更することで外付けSSDからの起動が可能になります。
ファームウェア問題
SSDやケースのファームウェアが古いと、起動時に互換性の問題を起こすことがあります。
メーカーのアップデートが出ているかどうかを確認し、可能なら最新に更新してください。
物理故障
SSD自体や端子が壊れていると、そもそも起動ドライブとして認識されないことがあります。
アクセス不能や異音、SMARTの異常が見られる場合は、データ保全を優先しつつ専門家に相談することを推奨します。
AppleシリコンとIntelで変わる起動動作の違い

Macの起動挙動は、AppleシリコンとIntelプロセッサで大きく異なります。
外付けSSDから起動できないときは、まず両者の違いを理解しておくと無駄な手順を避けられます。
Appleシリコン起動オプション
Appleシリコン搭載Macは電源ボタンの長押しで起動オプション画面に入ります。
操作 | 効果 |
---|---|
電源ボタン長押し | 起動オプション表示 |
オプション選択 | 外部ドライブから起動 |
回復を選択 | リカバリユーティリティ起動 |
起動オプション画面から外付けSSDを選んで起動できる場合が多いです。
ただし、外付けSSDのmacOSバージョンが現在のファームウェアでサポートされていないと起動しないことがあります。
Intel起動キー
Intel Macは起動時にキーを押すことで起動方法を切り替えます。
代表的なキー操作はOptionキーで、起動マネージャーが表示され外部ドライブを選べます。
また、Command+Rでリカバリ起動、Shiftでセーフモード起動など従来通りの手順が有効です。
T2チップ搭載機ではセキュリティ設定が影響し、外部起動を許可していないと外付けディスクからは起動できません。
外部ブート許可
外部ディスクからの起動を許可する設定は、機種によって手順が異なります。
- リカバリから起動
- 起動セキュリティユーティリティを開く
- 外部デバイスの起動を許可
- 管理者認証を行う
IntelのT2搭載機ではリカバリ起動後に「Startup Security Utility」を開き、外部起動を明示的に許可する必要があります。
Appleシリコン機の場合は、通常は電源長押しで外部メディアを選択できますが、企業の管理やファームウェアパスワードがあると制限されます。
セキュアブート影響
セキュアブートの設定は外付けSSDからの起動可否に直結します。
Intel機のT2チップはフルセキュリティやミディアムセキュリティなどのレベルを持ち、サイン済みでないOSは弾かれることがあります。
Appleシリコンではセキュアブートの概念は継承されていますが、ファームウェア側の互換性判断が異なります。
古いmacOSや署名されていない環境で外部起動したい場合は、セキュリティ設定を一時的に緩める必要がある点に注意してください。
セキュリティを緩める操作はリスクを伴いますので、作業前に必ずバックアップを取ってください。
外付けSSDを起動ドライブにするための準備

外付けSSDを起動ドライブとして使うためには、ハード面とソフト面の両方で事前準備が必要です。
ここでは接続ポートの確認からフォーマット、起動用のmacOS準備、そしてバックアップまで段階的に説明します。
対応ポート確認
まずは接続に使うポートが起動に適しているかを確認します。
MacのモデルによってはUSB 2.0や古いUSB 3.0では起動できない場合があるため、できるだけ高速なポートを推奨します。
- Thunderbolt 3
- Thunderbolt 4
- USB 3.1 Gen2
- USB4
これらの中でもThunderbolt接続は安定度と帯域が高く、起動ドライブに最適です。
ケース互換性確認
外付けSSDを入れるケースのチップセットがMacの外部起動に対応しているかを確認してください。
特にNVMe SSDをSATAケースに入れるような変換は問題を引き起こすことがありますので注意が必要です。
チップセット | 特徴 |
---|---|
ASMedia ASM2362 | NVMe対応 |
JMicron JMS583 | NVMe対応 |
Realtek RTL9210 | NVMe対応 |
USB SATAブリッジ | SATA専用 |
メーカーの仕様やユーザーレビューを確認して、Macで外部起動が報告されているケースを選ぶと失敗が少ないです。
推奨フォーマット
起動可能な外付けSSDには適切なパーティション方式とファイルシステムが必要です。
Appleシリコンと最近のIntel MacではGUIDパーティションマップとAPFSが標準的かつ推奨されます。
古いmacOSやIntel機で互換性を重視する場合はHFS+を選ぶケースもありますが、性能と機能面でAPFSの方が優れています。
ディスクユーティリティで消去するときにはパーティション方式を「GUIDパーティションマップ」に設定してください。
起動可能なmacOSの準備
外付けSSDにインストールするmacOSイメージは、使用するMacのモデルと互換性があるバージョンを用意してください。
Appleシリコン搭載Mac用のインストーラとIntel用では動作要件が異なりますので、必ず公式のダウンロードページで確認します。
インストールメディアを作る際は、インストーラをダウンロードした後にcreateinstallmediaコマンドで起動可能なUSBを作成する方法が確実です。
インストール前に最新のファームウェアやアップデートが適用されているかもチェックしておくと安心です。
バックアップ作成
外付けSSDにシステムを構築する前に、現在のデータを必ずバックアップしてください。
Time Machineでの完全バックアップや、Carbon Copy Clonerなどでのブート可能なクローン作成が代表的な方法です。
バックアップ後は検証を行い、必要なら復元テストを一度実行しておくとトラブル時の安心材料になります。
重要なデータは外付けSSDと別の場所にも保管しておくことをおすすめします。
検査と修復に使うツール・コマンド

外付けSSDが起動ディスクとして認識されないときは、まず利用可能なツールとコマンドを把握しておくと対応が速くなります。
ここではGUIツールからコマンドライン、専用ソフトまで、現場で役立つ選択肢を分かりやすく解説します。
ディスクユーティリティ
macOSに標準で搭載されているディスクユーティリティは、初心者でも扱いやすいGUIツールです。
まず外付けSSDを選択してFirst Aidを実行し、ファイルシステムの軽微な不整合を修復することが推奨されます。
起動ディスクとして使えない場合は、ボリュームではなくディスク全体のFirst Aidを試すと効果が出ることがあります。
Recoveryモードから実行すればシステムボリュームをロックせずに検査できるため、より確実な修復が期待できます。
diskutil
より詳細な検査や操作はターミナルのdiskutilコマンドで行います。
diskutilはディスク一覧の確認やパーティションテーブルのチェック、ボリュームの修復や消去まで幅広く対応します。
重要な操作はsudoを使うことが多く、誤操作はデータ消失につながるため慎重に実行してください。
- diskutil list
- diskutil verifyDisk
- diskutil repairVolume
- diskutil eraseDisk
- diskutil apfs repairContainer
まずdiskutil listでデバイス名を確認し、必要に応じてverifyDiskやrepairVolumeを順に試すのが基本的な流れです。
blessコマンド
blessコマンドは起動ボリュームのブート情報を設定するための専用ツールです。
外付けSSDを起動ディスクに指定する際に、ブートローダーやBless情報が正しく設定されていないと起動できない場合があります。
一般的な使い方はsudoを付けてフォルダやマウントポイントを指定する方法で、例えばブートフォルダを指示して起動可能にします。
ただしAppleシリコン機では設定手順が異なるため、blessだけで解決できないケースもあります。
Apple Configurator
Apple Configurator 2は別のMacを使って対象Macの復旧や再インストールを行うための公式ツールです。
T2搭載機やAppleシリコンMacの復元を行う際に、ネットワーク経由でファームウェアやOSを再導入できます。
外付けSSD自体の問題ではなく、本体のファームウェアやブートローダーに起因するトラブルを切り分ける際に有効です。
作業にはケーブル接続やDFUモードへの移行が必要で、手順を誤ると復旧できなくなる恐れがあるため注意してください。
サードパーティ復旧ソフト
GUIでの復旧やデータ復旧が必要な場合は市販の復旧ソフトが有用です。
以下の表は代表的なツールの比較になります。
ツール名 | 主な用途 | 備考 |
---|---|---|
DiskWarrior | ファイルシステム修復 | ディレクトリ修復に強み |
Data Rescue | データ復旧 | 削除ファイル復元に対応 |
Stellar Data Recovery | 幅広いファイル形式復元 | ユーザーフレンドリーなUI |
これらのツールは万能ではなく、物理故障や深刻なコントローラ障害には対応できないことがあります。
まずは無料のスキャン機能で状況を確認し、有料の修復を検討する流れが無難です。
対応の優先順位と専門家への相談

外付けSSDが起動しないときは、まず自分でできる基本確認と記録を取り、その上で優先順位を付けて対処することが重要です。
電源やケーブル、ポート、フォーマット、NVRAMリセットなどの軽微な手順はまず試してください。
ディスクユーティリティのFirst Aidやターミナルでの検査はリスクが低く、具体的なエラーメッセージを得られるため、優先度が高めです。
データが重要で、自己判断での操作が不安な場合や物理的な異音がする場合は、すぐに使用を中止し、専門のデータ復旧業者またはApple正規サービスへ相談してください。
修理業者を選ぶ際は、見積もりと実施予定の作業内容、成功率や守秘性を確認し、費用対効果を比較することをおすすめします。
最後に、問題解決後は必ずバックアップ体制を見直し、外付けSSDの運用ルールを決めておくと安心です。