外付けSSDや内蔵ドライブをMacでフォーマットしようとしてエラーが出ると焦りますよね。
問題はケーブルやポート、パーティション表の破損、ファイルシステムの不一致から物理故障まで多岐にわたり、原因に応じた手順で対処する必要があります。
この記事では接続確認からディスクユーティリティ、ターミナルコマンド、外付けケースや電源トラブルのチェックまで、順を追ってわかりやすく具体的な手順を解説します。
まずは接続確認・再起動・別ポート・別ケーブルなどの基本手順を説明し、その後原因別の点検項目や実践的な修復方法に進みます。
安全に進めるための注意点も紹介するので、次の章から順に確認して原因を特定していきましょう。
MacでSSDがフォーマットできないときの対処全手順

外付けSSDがフォーマットできないと焦りますが、まずは落ち着いて順番に確認することが重要です。
この記事では初心者でも実行しやすい基本チェックから、少し踏み込んだ診断までを網羅して解説します。
接続確認
最初に物理的な接続を確認します、意外とここだけで直ることが多いです。
- ケーブルの差し込み状態確認
- 外付けケースのLED確認
- 別のUSBポートでの動作確認
- ケーブルの目視破損チェック
コネクタが緩んでいると電力が不安定になり、フォーマットに失敗することがあります。
再起動
Macを一度再起動して、接続機器の認識状態をリセットします。
再起動はソフトウェア的な問題を簡単に解決する強力な手段です。
再起動後にディスクユーティリティを開き、SSDが表示されるかを確認してください。
別ポート確認
別のUSBポートやThunderboltポートに接続し、挙動が変わるか確認します。
ノートMacでは左側と右側で供給される電力が異なる場合があるため、ポートを変える価値があります。
別ケーブル確認
ケーブルの断線や内部断で認識が不安定になることがあるため、別のケーブルで試してください。
転送規格が異なるケーブルを使うと動作が変わる場合もあるので、対応規格を確認すると安心です。
別端末確認
別のMacやWindows機に接続して、同じ問題が出るかを検証します。
別端末でもフォーマットできない場合はSSD側の問題、できる場合はMac側の設定やポートの可能性が高いです。
Finder設定確認
Finderの環境設定で「外部ディスクをデスクトップに表示」がオフになっていると見落とすことがあります、設定を確認してください。
また、サイドバーに表示されない場合はFinderの再起動で改善するケースがあります。
ディスクユーティリティ確認
ディスクユーティリティを開いて、表示設定が「すべてのデバイスを表示」になっているか確認します。
項目 | 期待される表示 |
---|---|
ディスク本体 | 外付けSSD |
ボリューム | ボリューム名または未割当 |
状態 | 接続済み |
ここでディスクが灰色表示や消えた状態なら、パーティションテーブルやマウントの問題を疑います。
マウント状態確認
ディスクユーティリティでマウントされていない場合は、手動でマウントを試みてください。
ターミナルでの確認も有効で、diskutil listでデバイスが認識されているかを見ます。
マウントできない場合は、パーティション表の修復や消去を検討しますが、データが必要なら先に専門業者に相談してください。
原因別の点検項目

MacでSSDがフォーマットできない原因は多岐にわたります、接続系から論理的な問題まで幅広く点検が必要です。
ここでは原因ごとに症状と簡単な確認手順を分かりやすくまとめます、まずは落ち着いて一つずつ確認してください。
ケーブル不良
最も頻度が高いトラブルの一つで、ケーブルの折れや断線が起きるとデバイスが認識されなかったり途中で切断されたりします。
見た目では分かりにくい内部断線もあります、接続が不安定ならまずケーブルを疑ってください。
- 別のケーブルで接続して確認
- 別のパソコンで同じケーブルを試す
- 高速転送対応のケーブルを使う
ケーブルは安価なものでも性能差が大きいです、特にUSB規格が古いと電力供給や速度で問題が出やすいです。
電源不足
バスパワーで動作する外付けSSDは、接続先の電源供給が不足すると正しく動作しません。
頻繁に切断される、認識はするが動作が遅いといった症状が出ます、こうした場合はセルフパワーのケースや電源付きハブを試してください。
2.5インチのSSDでもピーク時には短時間で高い電流を必要とするため、複数ポートからの電力供給が有効なことがあります。
ポート故障
Mac本体のUSBやThunderboltポートが物理的に故障しているケースもあります。
別のポートで正常に認識されるかを必ず確認してください、問題が特定のポートだけなら本体側の故障が疑われます。
ポート周辺に埃や腐食があると接触不良を起こすので、目視点検と簡易清掃を試してください。
ファイルシステム不一致
WindowsでNTFSやLinuxのExt4など、Macが標準で書き込みできないファイルシステムだと消去操作が失敗することがあります。
読み取り専用でマウントされている場合は、ディスクユーティリティやターミナルでアンマウントしてから再試行してください。
フォーマット形式を明示的に指定して消去すると解決することが多いです、APFSやMac OS拡張ジャーナリングへの変更を検討してください。
パーティション表破損
パーティションテーブルが壊れていると、ディスク全体が正しく認識されずフォーマットできない場合があります。
この場合はパーティション情報の修復やディスクの完全初期化が有効です、まずは読み取り専用でのマウント状態を確認してください。
症状 | 対処例 |
---|---|
ディスクが未割当 | diskutilを使用して再初期化 |
パーティションが不正表示 | パーティション表の修復または削除 |
誤ったサイズ表示 | 低レベルフォーマットの実行 |
テーブルに示した対処は慎重に行ってください、特にデータが残っている場合はバックアップやクローンを作成してから実行することをおすすめします。
セキュリティソフトの干渉
アンチウイルスやエンドポイント保護ソフトがディスクへの書き込みやパーティション操作をブロックすることがあります。
ソフトを一時的に無効化してから再試行するか、セキュリティソフトのログでブロック履歴を確認してください。
企業環境の管理下にあるMacでは、管理プロファイルがディスク操作を制限している場合があるので、管理担当者に問い合わせることが必要です。
SSDの物理故障
コントローラ障害やフラッシュメモリの劣化により、そもそもディスクとして機能しないことがあります。
SMART情報でエラーが多数ある、認識そのものが不安定といった場合は物理故障が濃厚です。
メーカーの診断ツールでチェックし、保証期間内であれば交換や修理を依頼してください、データ復旧が必要な場合は専門業者に相談するのが安全です。
ディスクユーティリティでのフォーマット手順

ここではMac標準のディスクユーティリティを使ってSSDを安全にフォーマットする手順を、初心者にも分かりやすく順を追って説明します。
画面の表示設定から実際の消去実行まで、見落としやすいポイントも含めて解説します。
表示設定変更
まずはディスクユーティリティを起動してください。
メニューバーの「表示」をクリックして表示オプションを確認します。
ここで見えている内容が限定されていると、物理ディスクが選べないことがあるので注意が必要です。
すべてのデバイス表示
表示メニューの中にある「すべてのデバイスを表示」を選択してください。
この設定にすると、内蔵ディスクや外付けケース内の物理ディスクがツリー表示で確認できます。
対象ディスク選択
ツリーで目的のSSDを物理ディスク単位で選択してください。
ボリューム名だけを選ぶとパーティション単位での操作になり、期待した結果にならないことがあります。
ディスクの容量や接続方式、メーカー名などを見て誤選択がないか必ず確認してください。
消去オプション設定
「消去」ボタンを押すと、消去に関するオプションを設定する画面が開きます。
セキュリティオプションはSSDでは上書き消去が推奨されない場合があるため、通常はクイック消去で問題ありません。
パーティション方式はMacで使う場合はGUIDパーティションマップに設定してください。
フォーマット形式選択
利用目的に応じてフォーマット形式を選びます。
Mac専用で最新の機能を使いたい場合はAPFSを、古いMacや互換性を重視する場合はMac OS Extendedを選択します。
フォーマット | 用途 | 互換性 |
---|---|---|
APFS | 最新のMacシステムドライブや高速性能を活かす用途 | macOS High Sierra以降のMacのみ |
Mac OS Extended Journaled | 古いmacOSとの互換性が必要なとき | 幅広いmacOSで対応 |
ExFAT | MacとWindowsで大容量ファイルをやりとりする場合 | WindowsとmacOSで互換性あり |
FAT32 | 古い機器やBIOSでの利用 | ファイルサイズ4GB以下の制限あり |
表を参考に、用途と互換性を天秤にかけて選んでください。
消去の実行
設定が整ったら消去を実行します。
- 消去ボタンをクリック
- 確認ダイアログで同意
- 処理の完了を待つ
- 完了後にマウントを確認
消去中は進行状況バーが表示されますので、完了するまでMacの電源を切らないでください。
もし進行が止まってしまった場合はキャンセルして再試行するか、後述のターミナル手順での修復を検討してください。
ターミナルでの修復とフォーマット

ターミナルを使うと、ディスクユーティリティより詳しい操作やエラー診断が可能です。
ただし、コマンドは強力で、誤った対象を操作するとデータが完全に失われる危険があります。
まずはdiskutil listで正しいディスク識別子を確認することが重要です。
diskutil list
まずはdiskutil listを実行して、接続されているディスクとパーティションの一覧を確認してください。
出力を見て、internalやexternalの表示とサイズを照合し、フォーマット対象のディスク識別子を特定します。
複数ディスクがある場合は、誤操作を防ぐためにサイズと接続先を必ず確認してください。
ディスク | 説明 |
---|---|
disk0 | 内部起動ディスク |
disk1 | 外付けSSD |
disk1s1 | APFSコンテナ |
diskutil listの出力をコピーしてメモに残すと、後で混乱しにくくなります。
diskutil eraseDisk
diskutil eraseDiskはディスク全体を消去して新しいパーティション表とフォーマットを作成するコマンドです。
実行前に必ず対象のディスク識別子を確認し、必要ならバックアップを取ってください。
基本的な構文はdiskutil eraseDisk フォーマット パーティション名 ディスク識別子です。
よく使うオプションや形式の例を箇条書きで示します。
- APFS
- JHFS+
- ExFAT
- MS-DOS FAT32
例えば外付けSSDをAPFSで初期化する場合は、diskutil eraseDisk APFS MySSD /dev/disk2のようにします。
処理には数秒から数分かかることがあり、完了するまでケーブルを抜かないでください。
diskutil repairDisk
パーティション表やディスクの構造に問題がある疑いがあるときはdiskutil repairDiskを試してください。
まずはdiskutil verifyDiskで検証し、異常が報告されたらrepairDiskで修復を試みます。
このコマンドはパーティションマップの修復を試みるもので、ファイルシステムの内部までは修復しない場合があります。
修復が失敗する場合は、より強力な手段としてディスク全体の消去を検討する必要があります。
起動ディスクや重要なボリュームで実行する際は、システムが不安定になるリスクを理解してください。
diskutil apfs createContainer
APFSコンテナを手動で作成したい場合はdiskutil apfs createContainerを使用します。
このコマンドは指定した物理ボリューム上にAPFSコンテナを作り、その上にAPFSボリュームを配置できるようにします。
通常はディスク全体を消去した上で使いますが、パーティションを再利用する場面でも有効です。
使用例はdiskutil apfs createContainer /dev/disk2s1のように、対象パーティションを指定します。
作成後はdiskutil apfs addVolumeでボリュームを追加する運用が一般的です。
操作を誤るとデータが消えるため、実行前に必ず識別子の再確認とバックアップをお願いします。
外付けケース・接続機器別のチェック

外付けSSDがフォーマットできないときは、ケースや接続方法を順に点検するのが近道です。
接続の方式によって原因も対処法も変わりますので、落ち着いて一つずつ確認してください。
ここではUSB-CやThunderbolt、USB-Aなど主要な接続方式別に、実務的なチェック項目と対処法を紹介します。
USB-C接続
USB-Cは物理的に同じ形状でも機能差が大きいので注意が必要です。
まずはケーブルとポートの仕様がデータ転送に対応しているか確認してください。
- データ対応ケーブルを使用
- PDのみのケーブルでないことを確認
- 別のUSB-Cポートで試す
- 別のUSB-Cケーブルで試す
ケーブルが通電だけのものだと認識されず、フォーマットや消去が失敗することがあります。
Macの側面にあるポートがThunderbolt兼用かどうかも見ておくと無駄な手間を省けます。
Thunderbolt接続
Thunderboltは転送速度が高く、外付けSSDに最適ですがケーブル互換性がシビアです。
純正や規格準拠のケーブルを使うと認識トラブルが減ります。
インターフェース | 最大転送速度 | チェックポイント |
---|---|---|
Thunderbolt 3 | 40 Gbps | 認証ケーブルを使用 |
Thunderbolt 2 | 20 Gbps | 専用アダプタが必要 |
Thunderbolt 4 | 40 Gbps | 最新ファーム推奨 |
もし認識が不安定なら、別のThunderboltケーブルや別のMacで確認してみてください。
USB-A接続
USB-Aは古い規格ですが、電力供給や速度面で落とし穴があります。
特に薄型のポータブルSSDはバスパワーでは電力不足になる場合がありますので注意してください。
USB-A接続で調子が悪いときは、セルフパワーの外付けケースやセルフパワー式ハブを試すと状況が分かります。
外付けケース電源
外付けケースがバスパワー型かセルフパワー型かをまず確認してください。
セルフパワー型は付属アダプタの不具合が原因で認識しないことがありますので、別のアダプタで試してください。
バスパワー型の場合はMac側のポート供給能力が不足している可能性があるため、別のポートや別のMacで動作確認を行ってください。
ケース内部の電源回路が弱っていると断続的に切れたりするため、同型ケースを借りて交換テストするのも有効です。
ハブ・アダプタの検証
ハブや変換アダプタを介していると相性問題が発生しやすくなります。
まずはハブやアダプタを介さず、直接Macとケースを接続して動作するか確認してください。
直接接続で問題が解決するなら、ハブやアダプタが原因の可能性が高いですので、メーカー製の高品質な製品に替えて再検証してください。
ハブのファームウェアやMacのOSアップデートで改善することもありますので、最新化も忘れずに行ってください。
対応が難しい場合の相談先と注意点

対応が難しい場合は、無理に操作を続けずに専門窓口に相談することをおすすめします。
まずはMac本体やOSの問題かを切り分けるために、Appleサポートに問い合わせて基礎的なトラブルシュートを受けてください。
外付けSSD本体に疑いがある場合は、メーカーサポートや購入店に保証や交換対応を確認すると安心です。
大切なデータが入っている場合は、自分で試行錯誤する前に専門のデータ復旧業者へ相談してください、操作で復旧不能になるリスクを避けられます。
見積もりや対応内容は業者で差があるため、作業前に料金と成功率、プライバシー保護の方針を確認してください。
最後に、相談時には実施した操作やエラーメッセージ、接続環境の情報を控えておくと対応がスムーズになります。