SSDに換えて起動や動作を速くしたいけれど、OS移行の手順に不安を感じている方は多いはず。
特に容量の小さいSSDや無料ツールを使う場合は、準備不足で起動不能やデータ損失が起きやすいのが問題です。
本記事ではWindows10を無料のツールでSSDへ移す手順を、初心者にも分かるように丁寧にまとめます。
事前バックアップ、クローン作成、UEFI設定、パーティション調整、トラブル対処まで必要な項目を網羅します。
まずは最初に確認すべきことから始めるので、手順に沿って安全に移行していきましょう。
Windows10をSSDへ無料でOS移行する完全手順

古いHDDから高速なSSDへWindows10を移行すると、起動やアプリの動作が劇的に改善します。
この記事では無料ツールだけを使い、失敗を避けるための手順を順を追って解説します。
初心者でも実行できるように、事前準備から起動確認まで丁寧に説明します。
事前バックアップ
まず最初に、必ずバックアップを取得してください。
システムイメージと個人データの二重バックアップを作成すると安心です。
Windowsの「バックアップと復元(Windows 7)」や、外付けHDDへのコピーを推奨します。
重要なファイルはクラウドにも保存しておくと、万が一のときに復旧が速くなります。
環境確認
現在のディスクがMBRかGPTかを確認してください。
確認方法はディスク管理画面か、msinfo32でBIOSモードを参照します。
PCがUEFI起動をサポートしているかどうかで移行後の設定が異なります。
また、接続方法も確認します、ノートPCの場合は専用のSATAスロットがあるかを見てください。
外付けのUSB-SATAアダプタを使う際は、USBの速度がボトルネックにならないように注意します。
必要ツール一覧
以下は無料で使える代表的なツールです。
- Macrium Reflect Free
- Clonezilla
- AOMEI Backupper Standard
- MiniTool Partition Wizard Free
- Windowsのディスク管理
ツールは用途に応じて使い分けると効率的です、たとえばGUIで簡単に操作したければMacriumやAOMEIが使いやすいです。
ディスククローン設定
クローン作業は慎重に設定する必要があります。
以下の表はクローン時に設定しておきたい項目をまとめたものです。
項目 | 推奨設定 |
---|---|
ソースディスク | システムディスクのパーティションを選択 |
ターゲットSSD | 新しいSSDを選択 |
クローンモード | セクタ単位または使用領域のみ |
パーティション調整 | ターゲットに合わせて自動調整 |
アライメント | 1MBアライメント |
表で示した設定はツールによって名称が異なりますが、概念は共通しています。
重要なのはアライメントをSSD向けに設定することと、ターゲット容量が小さい場合にパーティションを縮小する点です。
BIOS/UEFI起動モード切替
クローン後にPCが起動しない原因の多くは起動モードの不一致です。
移行前に現在の起動モードを確認し、移行後にBIOSやUEFIで同じモードに設定してください。
MBRならLegacy/CSM、GPTならUEFIブートが原則です。
UEFIに切り替える際はセキュアブートの有効化や無効化も確認しておくと安心です。
パーティション容量調整
ターゲットSSDがソースより小さい場合、移行前に不要ファイルを削除し、システムパーティションを縮小する必要があります。
ページファイルや休止ファイルを一時的に無効化すると縮小が楽になります。
ディスククリーンアップや重複ファイルの整理で使用領域を減らしてください。
パーティション縮小はWindowsのディスク管理か、MiniToolやAOMEIで行うと安全です。
起動テストと復旧メディア
クローンが完了したら、まずBIOS/UEFIでSSDを最優先にして起動テストを行います。
正常に起動しない場合は元のHDDで起動して設定を見直してください。
念のためWindowsの回復ドライブをUSBで作成しておくと、トラブル時の復旧が容易になります。
回復ドライブがあればブート修復やシステムの復元が可能ですから、移行前に必ず準備してください。
移行前の必須準備

SSDへOSを移行する前に、失敗やデータ消失に備えた準備をしっかり行うことが成功の鍵です。
ここで紹介する4つの項目は、移行作業のリスクを大幅に下げるために必要な基本作業です。
システムイメージ作成
まずは現在のWindows環境のシステムイメージを作成してください。
システムイメージがあれば、クローンで問題が発生した時に元の状態へ戻せます。
使用するツールとしてはWindows標準のバックアップ機能や、Macrium Reflect Freeなどのイメージ作成ソフトがおすすめです。
イメージ作成の際は、OSが入っているCドライブとシステム予約パーティションを含めることを忘れないでください。
イメージは外付けHDDや別の内蔵ドライブへ保存し、保存先が正常に読み書きできるかを確認してください。
データバックアップ
システムイメージに加えて、個人データのバックアップも必ず行ってください。
特にドキュメントや写真、メールやブラウザのブックマークは念入りに保護する必要があります。
- ドキュメントフォルダ
- 写真と動画
- ブラウザのブックマーク
- メールデータ
- ライセンスキーと設定ファイル
複数のバックアップ先を用意すると安心です、例えば外付けHDDとクラウドの両方を使うと冗長性が高まります。
ドライバー確認
移行先のSSDで正常にデバイスが動作するか、必要なドライバーを事前に確認しておきます。
特にチップセットやネットワーク、ストレージコントローラのドライバーは重要です。
下表を参考に、メーカーサイトやWindows Updateで最新版をダウンロードしておくと安心です。
デバイス | 確認ポイント | 推奨アクション |
---|---|---|
チップセット | チップセットドライバー | メーカーサイトから入手 |
ストレージコントローラ | AHCI NVMe対応 | 最新ドライバー適用 |
ネットワーク | LAN Wi Fi | 事前ダウンロード |
必要ならドライバーをUSBメモリに保存して、移行後すぐにインストールできるよう準備してください。
空き容量確保
移行先のSSD容量が小さい場合は、移行前に不要ファイルを削除し容量を確保する必要があります。
ディスククリーンアップや一時ファイルの削除、不要なアプリのアンインストールで空き容量を増やしてください。
またユーザーフォルダにある大容量ファイルは外付けドライブへ移動するか、クラウドへ退避させると良いです。
容量の目安は、使用中のシステム領域合計がSSDの容量を下回ること、さらに数GBの余裕を残すことです。
これらを確認してからクローン作業に進むと、移行後のトラブルを大きく減らせます。
無料で使えるクローン・移行ツール比較

SSDへWindows10を移行するときに使える無料ツールを厳選して比較します。
ツールごとに特徴や手順の簡単さ、注意点が異なりますので、目的に応じて選んでください。
以下では初心者向けから上級者向けまで、実用的な情報を中心にまとめます。
Macrium Reflect Free
使い勝手が良く、ディスクイメージの作成とクローンに定評があるツールです。
GUIが分かりやすく、初めてでも比較的迷わず操作できます。
- 直感的なGUI
- 差分イメージ機能の一部制限
- 商用利用には制約あり
無料版でもクローンとリカバリメディア作成が可能で、移行作業には十分使える点が魅力です。
Clonezilla
オープンソースで高機能、軽量な環境から動作するクローンツールです。
コマンド志向またはテキストベースのインターフェースで、細かい制御が可能になります。
パーティションのサイズ変更や未割当分の調整は事前準備が必要で、慣れが求められます。
ネットワーク経由での複数台バックアップにも向いていますが、初心者には敷居が高い点に注意してください。
EaseUS Todo Backup Free
日本語対応のGUIでわかりやすく、クローン操作が簡単に行えます。
ディスククローンだけでなく、システムバックアップや復元機能も充実しています。
ただし、無料版では一部の高度機能が制限されるため、必要な機能を事前に確認してください。
SSD最適化オプションがあり、移行後のパフォーマンス維持にも配慮されています。
AOMEI Backupper Standard
無料で使える総合バックアップソフトとして人気があり、クローン機能も備えています。
システムクローンとディスククローンが簡単にでき、GUIは初心者にも優しい設計です。
ブータブルメディアの作成機能やスケジュールバックアップも利用でき、運用面で便利です。
注意点としては、環境によっては一部機能がバージョン差で異なるため、導入前に最新情報を確認してください。
MiniTool Partition Wizard Free
パーティション管理に強みがあるツールで、移行時の容量調整が得意です。
機能 | 特徴 |
---|---|
ディスククローン | システム移行可能 MBRとGPT対応 |
パーティション調整 | ドラッグでサイズ変更 未割当領域の結合 |
その他ツール | ディスクチェック パーティション復元 |
GUIが直感的で、クローン前にパーティションを視覚的に整理できます。
容量が小さいSSDへ移行するときに、パーティション縮小や未割当領域の作成で役立ちます。
ただし、無料版で使えるクローン機能に制限が出るケースがあるため、事前に機能比較を行うことをおすすめします。
容量が小さいSSDへ移行する手法

容量が限られたSSDへWindows10を移行する場合、単純なクローンだけではうまく収まらないことが多々あります。
ここではパーティション縮小、不要ファイルの削除、システム領域の最適化という三つの観点から、実務的で安全な手順を解説します。
パーティション縮小
まずは現在のシステム領域の使用状況を確認して、縮小可能な容量を把握してください。
Windows標準のディスク管理だけで縮小できるケースと、サードパーティ製ソフトが必要なケースがあります。
方法 | 注意点 |
---|---|
Windows ディスクの管理 diskmgmt.msc |
移動できないファイルがあると縮小できない場合がある |
diskpart コマンド | 正確な数値指定が必要で操作ミスは危険 |
サードパーティ製パーティションツール | より柔軟に移動と縮小が可能 |
ディスクの管理で縮小できない場合は、ページファイルやハイバネーションファイルの位置が障害になっていることが多いです。
そのため一時的にページファイルを無効化し、ハイバネーションを解除してから再試行することをおすすめします。
不要ファイル削除
- 一時ファイル
- ダウンロードフォルダの大きなファイル
- 重複したメディアファイル
- Windows.old フォルダ
- システムの復元ポイントの古いもの
まずは上の項目を優先的に削除して、移行対象のサイズを小さくしてください。
Windowsの「ディスククリーンアップ」や「ストレージセンサー」を使うと、比較的安全に不要ファイルを取り除けます。
サードパーティのクリーナーを使う場合は、削除対象を必ず確認してから実行してください。
システム領域最適化
システム領域を最適化することで、クローン先のSSDに収めやすくなります。
まずはハイバネーションを無効化します。
コマンドプロンプトを管理者で開き、powercfg -h off と入力して実行してください。
次にページファイルを一時的に無効化するか、別ドライブに移動してから縮小を試みてください。
不要な大容量のユーザーデータは一旦外付けHDDに移すと安全です。
また、回復パーティションやEFIシステムパーティションは扱いに注意してください。
これらの領域を無闇に削除すると起動不能になる可能性がありますので、必要ならバックアップを作成してから操作してください。
最終的にパーティションサイズがSSDに収まることを確認できたら、クローン作業へ進んでください。
移行後によくあるトラブル別対処法

SSDへ移行したあとに発生しやすい問題と、その対処法を分かりやすくまとめます。
一つ一つ冷静に確認すれば、多くのトラブルは短時間で解決可能です。
起動しない
SSDにクローン後、電源を入れてもWindowsが起動しないケースはもっとも多い問題です。
まずはハード側の基本チェックを行ってください。
- SATAや電源ケーブルの接続確認
- 元のHDDを一時的に取り外す
- SSDがBIOSで認識されているか
- ブート順序でSSDが最優先になっているか
- Secure BootやCSMの設定状況
上記で異常がなければ、Windows回復環境からの修復を試してください。
インストールメディアで起動し、「コンピューターを修復する」を選んでください。
自動修復で直らない場合はコマンドプロンプトを開いてください。
次のコマンドを順に実行してブート領域を修復してください。
bootrec /fixmbr。
bootrec /fixboot。
bootrec /scanos。
bootrec /rebuildbcd。
これで改善しないときは、クローン時にブート情報が正しく移行されていない可能性がありますので、別のクローンツールで再クローンを検討してください。
ブートオプション誤設定
UEFIとレガシー(BIOS)のモード不一致による起動失敗もよく見られます。
下表で代表的な状況と簡単な対処を示します。
状況 | 対処 |
---|---|
UEFIでインストール済みだがLegacyで起動している | BIOSをUEFIに切替 |
MBRでインストール済みだがUEFIのみ有効 | Legacyサポートを有効化 |
Secure Bootが有効でドライバーが許可されない | 一時的にSecure Bootを無効化 |
BIOSやUEFIの設定画面は機種ごとに呼び出しキーが異なりますので、起動時のメッセージやマニュアルを参照してください。
ディスクのパーティション形式がGPTかMBRかを確認するには管理者権限でコマンドプロンプトを開き、diskpartでlist diskを実行してください。
表示のGPT列にアスタリスクがあるとGPTですので、UEFIモードで起動するよう設定を合わせてください。
ライセンス認証エラー
ハードウェアを交換すると、Windowsの認証状態が不安定になる場合があります。
まずはMicrosoftアカウントにサインインして、デジタルライセンスが紐付いているか確認してください。
設定から「更新とセキュリティ」「ライセンス認証」へ進み、トラブルシューティングを実行してください。
自動で解決しない場合はプロダクトキーを再入力するか、slmgr.vbsを使って再認証を試してください。
どうしても解決しないときは、エラーメッセージを控えてMicrosoftサポートへ問い合わせると迅速に対応してもらえます。
容量未割当
クローン後にSSDの一部が未割当になっていることがあります。
Windows標準のディスクの管理で未割当領域を確認してください。
未割当領域がCドライブの右側にある場合は、ディスクの管理でボリュームの拡張を行えば解決します。
隣に別パーティションがあり拡張できない場合は、パーティション移動が必要になりますのでサードパーティ製ツールを使うと簡単に処理できます。
安全確保のため、操作前に必ず重要データのバックアップを取ってください。
コマンド操作を好む場合はdiskpartで新規パーティションを作成し、フォーマットして割り当てることも可能です。
どのトラブルでも、まずはバックアップと落ち着いた確認を優先してください。
それでも解決しない場合は、症状と試した手順を整理して専門家に相談すると早く直ることが多いです。
移行完了後に行う最終確認

移行作業お疲れさまでした。
ここではSSDへ移行した後に必ず確認しておきたいポイントを簡潔にまとめます。
まず起動確認を行い、問題なくWindowsが立ち上がるか、アカウントやアプリの動作に不具合がないかを確かめてください。
デバイスマネージャーでドライバーにエラーがないかを確認し、必要があればメーカー提供の最新ドライバーに更新してください。
ディスク管理で未割当領域やパーティションサイズを確認し、容量が思った通りに割り当てられているかチェックしてください。
システムの復元ポイント作成と回復ドライブの作成は、万が一に備えた重要な保険になりますので忘れずに実施してください。
最後に重要データの整合性を確認し、外付けやクラウドへ最新のバックアップを保存して作業を完了してください。