Windows 11でSSDが認識されないとき、起動しない不安やデータ喪失の恐れで焦りますよね。
原因はケーブルやポート、BIOS設定からドライバーや外付けケースのチップセットまで多岐に渡ります。
この記事では基本の確認項目から内蔵・外付け別の対処、ソフト側の初期化やデータ復旧まで手順を具体的に示します。
接続ケーブルや電源、BIOS表示、ディスクの管理など最初に確認すべきポイントをまず紹介します。
内蔵用と外付け用の個別手順や最終確認リストも用意してあるので、順に読み進めて原因を特定しましょう。
Windows 11でSSDが認識されない場合にまず確認する項目

まずは物理的な接続とシステム側の表示を順に確認することで、原因の切り分けができます。
焦らず一つずつ確認することで、簡単に解決する場合も多くあります。
接続ケーブル
まずケーブルの損傷や緩みを確認してください。
目視で断線や折れがないかを見て、端子の汚れも拭き取っておくと安心です。
- SATAケーブルの差し直し
- USBケーブルの交換
- USB-CとUSB-Aの変換確認
- 付属の電源ケーブルの確認
別のケーブルで接続して認識するか確認すると、ケーブル不良の有無が短時間で分かります。
接続ポート
接続するポートの種類と物理的な接触を確認してください。
デスクトップならマザーボード側の別のSATAポートに接続してみてください。
ノートや外付けの場合は別のUSBポートや別のPCで試すと、ポート側の故障かどうかがわかります。
電源供給
特に3.5インチ用や一部の外付けケースは別途電源供給が必要です。
電源が不足するとSSDが検出されないか、断続的に消える症状が出ます。
外付けSSDではY字ケーブルやACアダプターの有無を確認し、自己給電タイプかバスパワーかを区別してください。
BIOS/UEFI表示
電源を入れてBIOSまたはUEFI画面でSSDが認識されているかをまず確認します。
認識されていれば、Windows側の設定やパーティションの問題である可能性が高くなります。
認識されない場合はM.2の取り付け状態やSATA設定、端子の接触不良を疑ってください。
必要ならBIOSのアップデートやCSM設定の見直しを行うと改善する場合があります。
デバイスマネージャ
Windows起動後にデバイスマネージャを開いて、ディスクドライブや不明なデバイスを確認してください。
デバイスの横に黄色いビックリマークがあれば、ドライバー問題の可能性があります。
該当デバイスを右クリックしてデバイスのアンインストールやドライバーの更新を試してみてください。
表示されない場合はハードウェア認識の段階で問題があるため、物理接続の再確認が必要です。
ディスクの管理
コントロールパネルのディスクの管理を開いて、ディスクが未割り当てやオフラインになっていないかを確認してください。
ここでディスクが見えているがドライブ文字がない場合は、ボリュームの作成やドライブ文字の割当を行う必要があります。
ディスクの状態ごとの意味を簡潔に把握しておくと対応が早くなります。
状態 | 意味 |
---|---|
未割り当て | パーティションなし |
オフライン | アクセス停止中 |
初期化が必要 | ディスク未初期化 |
ディスクが見えているがアクセスできない場合でも、初期化やボリューム作成で復旧するケースが多くあります。
内蔵SSDが認識されない場合の対処手順

内蔵SSDがWindowsで見えないときは、まずハードウェアからソフトウェアまで段階的に潰していくのが近道です。
ここではM.2スロットやSATA接続、BIOSのモード、そしてNVMeドライバー周りの具体的な確認と対処を丁寧に解説します。
M.2スロット
M.2スロットは物理的な取り付けやスロット仕様の違いで認識しないことがよくあります。
取り付けが緩んでいないか、ネジが確実に固定されているかをまず確認してください。
M.2にはNVMe(PCIe)対応とSATA対応のタイプがあり、マザーボードのスロットがどちらをサポートしているかを取扱説明書で確認する必要があります。
スロットによっては特定のサイズだけサポートする場合や、他のポートとレーンを共有しているため同時使用で無効化されることがあります。
別のM.2スロットがあるならそちらに差し替えて、BIOSで認識するか試してください。
また、M.2に冷却パッドやサーマルパッドが影響して正常に挿さらない場合もありますので、干渉がないか目視で確認してください。
SATAコネクタ
SATA接続の内蔵SSDの場合は、ケーブルと電源の確認が優先です。
- SATAケーブルの抜き差し
- 別のSATAポートでの動作確認
- 電源コネクタの差し替え
- 別PCでの認識確認
上のいずれかで認識するならケーブルやマザーボード側のポートに問題がある可能性が高いです。
マザーボードのSATAコントローラがBIOSで無効になっていないかも確認してください。
AHCI/RAID設定
ストレージコントローラのモード設定は大きく影響します。
設定 | 意味 | 対処例 |
---|---|---|
AHCI | 標準SATAモード | 有効にする |
RAID | 複数ドライブの束ね | RAIDドライバーの導入 |
IDE互換 | レガシー互換モード | AHCIへ移行検討 |
Windowsをインストールした際のモードと異なる設定に変更すると、起動不可になることがありますので注意が必要です。
安全にモードを切り替える手順としては、まず重要データをバックアップしてから、Windowsをセーフブートで起動する設定にしておく方法が確実です。
具体的にはWindowsの起動オプションでセーフモードを設定し、BIOSでAHCIに切り替えてから通常起動させ、ドライバーを自動適用させる手順が一般的です。
不安がある場合は、メーカーの手順やサポート情報を確認するか、専門家に依頼することをおすすめします。
NVMeドライバー
NVMe SSDは標準ドライバーで動作することが多いですが、メーカー提供の専用ドライバーが必要なケースもあります。
デバイスマネージャを開き、ディスクドライブやストレージコントローラに表示されているデバイスを確認してください。
該当デバイスが不明な場合やエラーアイコンが付いている場合は、ドライバーの更新や再インストールを試してください。
メーカーサイトから最新のNVMeドライバーやファームウェアツールをダウンロードして適用することで、認識や性能が改善することがあります。
ドライバーをアンインストールする際は「デバイスのアンインストール」後に再起動し、Windowsに自動再インストールさせるか、ダウンロード済みのドライバーを手動で当ててください。
チップセットやプラットフォームドライバーの更新も影響するため、マザーボードのチップセットドライバーも最新にしておくと安心です。
外付けSSDが認識されない場合の対処手順

外付けSSDがWindows 11で認識されないときは、まず物理的な接続と電源周りを疑うのが有効です。
ケーブルの規格や給電方式、ケース内部のチップセットが原因になることが多いです。
ここでは具体的な確認ポイントと対処法を順に解説します。
USBケーブル規格
外付けSSDではケーブルの規格が動作に直結します。
USB 2.0とUSB 3.xでは転送速度と供給可能な電流が大きく異なりますので、まずはケーブルの種類を確認してください。
特にUSB-Cは見た目が同じでも、データ転送非対応の充電専用ケーブルが存在しますので注意が必要です。
- USB-C to USB-C(USB 3.1 Gen2以上)
- USB-A to USB-C(データ対応)
- 充電専用ケーブルではないもの
- 高品質シールドケーブル
短い純正ケーブルや高速規格に対応したケーブルに交換して、再接続を試みてください。
電源方式
外付けSSDはバスパワー駆動と外部電源駆動のどちらかで動作します。
バスパワーの場合、PC側のUSBポートが十分な電流を供給できないと認識されないことがあります。
特にノートPCのフロントポートやUSBハブ経由だと電力不足になりがちですので、直接背面のポートへ接続してみてください。
セルフパワーのケースやACアダプタ付きのドライブであれば、外部電源を接続して動作確認してください。
Y字ケーブルや給電専用ケーブルを使用する方法もありますが、ケーブル仕様を確認してから利用してください。
外付けケースチップセット
ケースに内蔵されたUSB-SATAまたはUSB-NVMeコントローラが互換性の問題を起こすことがあります。
古いチップセットや一部の安価なコントローラは、特定のSSDと相性が悪く認識されないケースがあります。
チップセット | 主な特徴 |
---|---|
ASMedia | 高い互換性と速度安定性 |
JMicron | 一部機種で電源供給が厳しい場合がある |
Realtek | コストパフォーマンス重視のモデルに採用されることが多い |
ケースメーカーの対応SSD一覧や最新版のファームウェア情報があれば、公開ページを確認してください。
可能であれば別のケースや変換アダプタでSSDを接続して、問題の切り分けを行ってください。
USB省電力設定
Windows 11の省電力設定がUSB機器の認識に影響することがあります。
特にUSB選択的サスペンド機能が有効だと、OSがUSBポートの電力を切ることがあり得ますので、これを無効化して確認してください。
操作手順の一例として、電源オプションの詳細設定からUSB設定を開き、USB選択的サスペンド設定を無効にしてください。
また、デバイスマネージャー内のUSBルートハブや外付けSSDに該当するデバイスの電源管理タブで、コンピューターがこのデバイスの電源を切れる設定をオフにしてください。
一時的に省電力関連の設定を無効にしても改善しない場合は、USBドライバーの再インストールやBIOSのUSB設定も確認してください。
これらを試しても認識しない場合は、次の章でソフトウェア的な復旧手順やデータ保護の方法を検討してください。
ソフトウェア側での復旧と初期化手順

ここではWindows側から行える復旧と初期化の手順を分かりやすく説明します。
物理的な接続やハードウェア側の故障が疑われる場合でも、まずはソフトウェア側でできる対処を試してみる価値があります。
ただし初期化やパーティション操作はデータを消失するため、実行前に必ずバックアップを取ることをおすすめします。
ディスクの初期化
未割当のディスクがある場合、まずはディスクの初期化を確認してください。
スタートメニューから「ディスクの管理」を開き、初期化を促すダイアログが表示されるかどうかを確認します。
初期化すると既存のパーティション情報は消えますので、取り返しのつかないデータ損失を防ぐためにバックアップは必須です。
初期化時に選ぶパーティション方式は用途によって異なりますので、以下の表を参考にしてください。
パーティション方式 | 特徴・適用例 |
---|---|
MBR 古いBIOS互換 2TB以下推奨 |
レガシーOS互換性が必要な場合 古いマザーボードやソフト用 |
GPT UEFI必須で利点多数 大容量ディスク対応 |
Windows 10/11で推奨 パーティション数に余裕がある場合 |
ボリューム作成とドライブ割当
ディスクを初期化した後はボリュームを作成し、ドライブ文字を割り当てる必要があります。
「ディスクの管理」で未割当の領域を右クリックして「新しいシンプルボリューム」ウィザードを起動してください。
一般的な手順は次の通りです。
- 初期化済みディスクの確認
- 未割当領域を選択
- 新しいシンプルボリュームのウィザード開始
- ドライブ文字またはマウントポイントの指定
- フォーマット形式とクラスターサイズの選択
フォーマットは通常NTFSを選ぶと機能性と互換性のバランスが良いです。
外付けでMacや家電との互換性を重視する場合はexFATを検討してください。
ドライブ文字を割り当てても認識されない場合は、別の文字に変更すると改善することがあります。
ドライバー再インストール
ドライバーの不具合が原因でSSDが表示されないことがありますので、デバイスマネージャでチェックします。
ストレージコントローラーやディスクドライブの項目を展開し、該当デバイスを右クリックして「デバイスのアンインストール」を選んでください。
アンインストール時にドライバーソフトウェアを削除するオプションがある場合は、問題が疑われる際にチェックしてから再起動するとクリーンな再導入が行えます。
再起動後にWindowsは自動でドライバーを再インストールしますが、メーカー提供の最新ドライバーを使う方が安定する場合があります。
特にNVMeやRAID環境では専用ドライバーが必要なことがあるため、マザーボードやSSDメーカーのサイトからドライバーを入手してください。
chkdskとシステムファイル検査
論理的なファイルシステムの破損や不良セクタが疑われる場合はchkdskを実行します。
管理者権限のコマンドプロンプトを開き、chkdsk X: /f /rのようにオプションを付けて実行してください。
システムドライブに対して実行する場合は再起動時にスケジュールされるため、実行許可を求められたら承諾してください。
システムファイルの破損検査はsfc /scannowで行い、必要に応じてDISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealthを先に実行してからSFCを走らせると効果的です。
検査結果やエラーの詳細はイベントビューアやCBS.log、DISMのログで確認できますので、復旧が難しい場合はログを保存しておくと診断に役立ちます。
データ保護と復旧の選択肢

SSDが認識されない場合、まずはデータ保護を最優先に考えて行動してください。
通電や操作を繰り返すことで状況が悪化することがあるため、落ち着いて手順を検討することが重要です。
バックアップ手順
まずは可能な範囲で現状のイメージを取得することをおすすめします。
イメージ取得が難しい場合は、読み取り専用での接続などリスクを減らす工夫をしてください。
- 外付けUSBケースに接続してクローン作成
- ディスクイメージ作成ソフトの使用
- 別PCで読み取り専用マウント
- 重要ファイルの優先コピー
上記は実行前に対象ディスクの物理的状態を確認してから行ってください。
コマンドラインでのデータ救出
簡単なチェックや救出はコマンドラインで効率よく行えます。
管理者権限で実行すること、誤ったコマンドで上書きしないことに注意してください。
コマンド | 用途 |
---|---|
diskpart | ディスク情報確認 |
chkdsk | ファイルシステム検査 |
robocopy | ファイルコピー救出 |
dd for windows | ディスクイメージ作成 |
各コマンドは正しいオプションで実行し、ログを確認しながら進めてください。
データ復旧ソフト
市販のデータ復旧ソフトはGUIで操作でき、個人でも使いやすいものが増えています。
ただし、誤操作で上書きしてしまうリスクがあるため、まずは読み取り専用モードでスキャンを行ってください。
無料ソフトは機能制限がある場合が多く、重度の物理故障には対応できない点に注意が必要です。
専門業者選びの指針
自力での復旧が難しいと判断したら、専門業者への依頼を検討してください。
選ぶ際は物理復旧の対応可否、成功率の公表、見積もりの透明性、データ取り扱いの方針を確認することをおすすめします。
複数社に相談して比較し、実績やレビューを参考にすることで安心して任せられる業者を見つけやすくなります。
最終確認と次に取るべきアクション

まずはここまでのチェック項目と対処を振り返り、どの段階で問題が残っているかを整理してください。
重要なデータが残っている場合は、安易に初期化やパーティション操作を行わず、外付けケースや別PCを使ったイメージ取得やバックアップを優先してください。
ソフトウェア的に復旧可能かを簡単に試します。
それで認識しない場合は、ケーブルやポート、BIOSの表示、ドライバーの有無などハード寄りの確認を行い、必要なら専門業者へ相談してください。
最後に、復旧後は定期バックアップと動作チェックを習慣化して再発を防いでください。